【連載コラム:求人票の書き方 #14-2020】
中小企業は2020年4月施行「時間外労働の上限規制」法改正の概要
「時間外労働の上限規制」
法改正のポイントを振り返ります。
■ 残業時間の上限
原則として月45時間・年360時間
※月45時間は、1日当たり
2時間程度の残業に相当(週休2日試算)
■「臨時的な特別の事情があって」労使が合意する場合
※36協定特別条項
労使間の合意があっても、以下の規制は遵守
・時間外労働が年720時間以内
・時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
・時間外労働と休日労働の合計について、
「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」
「5か月平均」「6か月平均」の全てが1月当たり80時間以内
・時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月が限度
そして、上限規制の実務対応として
時間外労働・休日労働にかかる"36協定"については
今回の法改正に連動した形での新様式への移行とともに
1.「1日」「1か月」「1年」のそれぞれについて"時間外労働の限度"を定めること
2.「1年の上限」を算定するため、協定期間の「起算日」を定めること
3.「時間外労働と休日労働の合計」について、
月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内で協定すること
4.「臨時的な特別の事情がある場合」はできる限り具体的であること
などの締結要領や指針が示されています。
詳細については、
下記「働き方改革特設サイト 関連資料ダウンロード&リンク」の
「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」などでご確認ください。
【残業時間上限規制に関する出典・引用】
厚生労働省 働き方改革特設サイト
▽
https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/index.html
働き方改革特設サイト 関連資料ダウンロード&リンク
▽
https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/download.html
厚生労働省ホームページ
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について
▽
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html
欲しい人材に響く! 求人票の書き方(残業時間/36協定/固定残業代の書き方)
残業時間に関する求人票の記入エリアと書き方
ご参考までに以下をご紹介致します。
■ 残業時間/36協定
残業時間の上限規制に伴い
残業時間などを36協定で取り決めた場合
新求人票の④労働時間「時間外労働」欄に
・時間外労働(残業)有無
・月平均時間外労働時間
・36協定の特別条項の有無 を
「臨時的な特別の事情があって」
36協定に特別条項を設けた場合には
「特別な事情・期間等」欄に
・特別な事情
・延長時間
などで具体的な内容を記入してください。
■ 固定残業代
固定残業代の求人票の書き方については、
2017年の連載コラムでもご紹介致しました通り
平成29年3月31日に成立した改正職業安定法により
平成30年1月1日から求人事業主・職業紹介事業者ともに
① 基本給××円(②の手当を除く額)
② □□手当(時間外労働の有無に関わらず、○時間分の時間外手当として△△円を支給)
③ ○時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給
など求人情報での"適切な表示"が求められています。
新求人票では、賃金・手当欄の
「基本給」・「定額的に支払われる手当(b)」・「固定残業代(c)」
などの項目を活用して適切に表示してください。
なお、「固定残業代(c)」欄への記入文言については、
ハローワークの"求人申込書"や"書き方リーフレット"に
文例や記入ポイントが掲載されています。
自社採用ページやIndeed/engageなどの
求人原稿作成などでもご確認ください。
【関連コラム】
【1月1日から】 "職業安定法" 平成29年改正の概要(求人企業編)
【1月1日から】"職業安定法" 平成29年改正の概要(職業紹介事業者編)
【出典・引用】
厚生労働省ホームページ
2020年1月6日からハローワークのサービスが充実します!
▽
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06574.html
結局、求人票も〇〇案内。ベースが揺らいでいると・・・
2012年の開業以来、
中小企業のみなさまの
求人採用支援・求人票活用ひとすじに
求人票コピーライターをやっていますが、
ハローワークの求人票のライティングの他にも
・採用ページの求人原稿書き起こしリライト
・求人サイトの求人原稿書き起こし・リライト
など、さまざまな求人原稿を扱っています。
求人原稿執筆の際には、
経営者・人事担当者へインタビューすることもあれば、
会社案内・製品カタログ・過去の求人原稿などの
参考データを頂いてコピーライトのネタにすることもあります。
求人票も採用ページも求人サイトも
求人情報の要素は「求職者へのPR」だけではありません。
職業安定法でも規定されているように
「募集要項」などの、
給与額・休日数などの定量情報が含まれる
「労働条件の明示」も"込み"です。
ライターが執筆で混乱・困惑するのは、
「求人情報の細かな数字が資料で違っていること」です。
細かな話でいえば、
新求人票の「事業所情報」にあるような
資本金・従業員数(男女別内訳も)・
年商・営業所数など、会社概要の情報
求人情報であれば
・初任給や中途採用給与
※〇〇万円〜●●万円などの幅表示を含む
・諸手当の金額や種類
・休日数や休暇の種類
・福利厚生の内容
などの諸条件
たとえばクライアント様からお預かりした
・会社ホームページと採用特設サイト
・新卒採用情報と中途採用情報
・A求人サイトとB求人情報誌
各々の求人情報が毎年アップデートされ、
同期が取れていれば問題ないのですが
齟齬があった場合には
「なんで違うの?どっちかが古いの?」
「どれが最新?どの数字で執筆すれば?」
となってしまいます。
「募集要項」に関連する項目は
地味ですが求人情報の信頼性を担保する基礎。
たとえば、みなさんの会社の
「会社概要」が、ホームページと会社案内冊子で違っていたら・・・
「製品スペック」が、ホームページと製品案内カタログで違っていたら・・・
求人票の労働条件に関する情報「募集要項」は
そんな会社案内・製品案内の情報と同じです。
その基礎が、求人媒体ごとに揺らいでいれば・・・
その基礎が、面接の話と内容が違っていれば・・・
対外的な信頼感や情報管理の姿勢
応募者が求人企業そのものに
どんな印象を抱くかは想像に難くありません。
「応募者を増やすために〇〇と書いて、アピールしましょう!」
それだけが求人票の書き方のノウハウではありません。
せっかく自社の求人票に興味・関心を寄せてくれた
応募者を失望させないためにも、
入社後のトラブルを避けるためにも
求人票を公開する前に、しっかりと
点検しておきたいところです。
2012年(平成24年)以来、
本連載コラム・求人票セミナーなどで
お伝えしていますが、
「求人とは、集客。」
「求人票も、広告。」です。
広告である以上、そこには"読み手"
「求人情報を伝えたい相手」が存在します。
求人票も書き方次第、
求人情報も伝え方次第。
「微に入り細を穿つ」視点は、
校閲の基本でもあります。
求人票でも・有料求人広告でも・採用ページでも
その本質・視点・考え方はなんら変わりはありません。
弊社は、ハローワーク求人票のほか、
採用ページ・各種媒体のリライトなどのご相談も対応しております。
良い採用の実現に、弊社のノウハウをご活用頂ければと存じます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
※本コラムは、各メディア情報等取材した内容を基に、
コラム記事として掲載しています。