「令和3年度 最低賃金」
昨日来、各メディアで報じられていますが
2021年7月16日 厚生労働省は
ホームページにプレスリリースと
関連資料一式を公表しました。
今回のコラムは、
「過去最大の引き上げ」といわれる
最低賃金額改定の動向をピックアップ
求人票の書き方も検証します。
※以下の資料は、厚生労働省ホームページで
公開されている資料より引用します。
令和3年度 最低賃金額改定の動向
今般公表されたのは
2021年7月16日に開催された第61回中央最低賃金審議会での
"今年度地域別最低賃金額改定の目安"についての答申資料など
答申された「28円」の改定目安は
令和1年度の27円を上回り、
昭和53年度に目安制度が始まって以降、
過去最大の引上げ額(引き上げ率は換算で 3.1%)
そして、
各都道府県をランク付けした
A〜Dの全てが一律「28円」と
なっていることも大きな特徴
答申通りとなれば
・全国平均額:902円から930円
・東京都:1,013円から 1,041円
・大阪府: 964円から 992円 に
また、
沖縄・佐賀・高知・鳥取・島根・秋田の
6県では 792円が820円に
「全国の最低賃金額が800円以上」の
時代を迎えることとなります。
【図表出典】
厚生労働省 プレスリリース 2021.07.16
・別紙1 令和3年度地域別最低賃金額改定の目安について
・参考3 地域別最低賃金の全国加重平均と引上げ率の推移
今後は、この答申を参考にしつつ
各地方最低賃金審議会で調査審議・答申を行い
各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定
▽
10月には、今年度の各都道府県最低賃金額が発効します。
答申内容の資料等詳細は、
下記【出典・引用】からご確認ください。
【出典・引用】
厚生労働省 報道発表 2021.07.16
令和3年度地域別最低賃金額改定の目安について
▽
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19902.html
欲しい人材に響く! 求人票の書き方( 最低賃金額/労働条件と求人票の書き方 )
毎年10月に改定される「最低金銀額」
この指標の最大の特徴は
「時給額」ではなく
「時間額」であること
パート・アルバイト求人でよくある「時給制」だけではなく
「日給・週給・月給制」などの賃金制度でも
対象となる賃金額を"時間額に換算"して
最低賃金額との比較・検証が必要です。
■ 主な最低賃金の計算方法
1. 時間給の場合
時間給≧最低賃金額(時間額)
2. 日給の場合
日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
※日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、
日給≧最低賃金額(日額)
3. 月給の場合
月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
※その他、出来高払制・請負制などの計算方法もあります
■ 対象となる賃金
最低賃金の対象となるのは毎月支払われる基本的な賃金
いわゆる"残業代やボーナス"など以下の賃金は対象
1.臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
2.1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
3.所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
4.所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
5.午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、
通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
6.精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
※職務手当などの諸手当は対象
厚生労働省では
・ポイント!最低賃金
・最低賃金全国一覧
・最低賃金引上げに向けた中小企業支援事業
などのコンテンツからなる特設サイトを設けています。
「ポイント!最低賃金」では
上記で解説した最低賃金の計算方法の
ケーススタディも掲載しています。
ご興味・ご関心があれば
下記サイトをご覧ください
■ 厚生労働省 最低賃金特設サイト
▽
https://pc.saiteichingin.info/
2012年(平成24年)以来、
本連載コラムや商工会議所などでの
「求人票の書き方セミナー」で
繰り返しお伝えしていることは
「求人とは、集客。」
「求人票も、広告。」
という考え方と視点
たしかに「求人票は広告」なのですが、
決して忘れてはならないことは
・そこに記載される労働条件
・そこに記載すべき労働条件
など「書き方」について、
労働諸法令のルールが適用されるということ。
たとえば、職業安定法では
・固定残業代を採用する場合
・裁量労働制や高度プロフェッショナル制を採用する場合
などの具体的な書き方ルールをはじめ
「明示する労働条件は、虚偽又は誇大な内容としてはならない」
などの"求人企業が遵守すべき指針"も示されています
【図表出典】
厚生労働省リーフレット(※R2.1改正版) 労働者を募集する企業の皆様へ
〜求人の申込みや労働者の募集に当たっての留意事項〜
また、既にスタートしている「求人不受理制度」では
最低賃金法違反も不受理の対象となる場合があります。
【図表出典】
厚生労働省リーフレット 改正職業安定法(求人不受理)について
求人票も書き方次第、求人情報も伝え方次第
ですが、それは
「応募が増えれば、なんでもあり」ではありません。
"最低賃金額クリア"は、
求人受理のための必須条件のひとつ
・永らく求人内容を見直していない
・久々に求人を出す予定がある
などの機会があれば、一度、
お手元の求人票や採用ページの
内容を点検・ご確認ください。
【出典・引用】
厚生労働省ホームページ 平成29年職業安定法の改正について
▽
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172497.html
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最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考となれば幸いです。