昭和28年の制定以来、
職業紹介事業等求人・求職のマッチングや、
求人・求職の職業別動向把握などに使用されている
「厚生労働省編職業分類」
平成23(2011)年改定以来、5回目の改定となる
「令和4(2022)年版」について
2022年12月14日
独立行政法人 労働政策研究・研修機構から
その全文が公開されました
来年3月からは、
ハローワークの業務への活用が予定されている
「令和4年改定版厚生労働省編職業分類」
今回のコラム、その概要と
求人票の書き方への活用を
ご紹介致します。
※以下の資料は、厚生労働省/ハローワークインターネットサービス/
労働局等各所ホームページで公開されている資料より引用します。
「第5回改定 厚生労働省編職業分類」改定の背景と概要
■改定の背景
「厚生労働省編職業分類」は「日本標準職業分類」との整合性を保ちながら、
職務の類似性、公共職業安定機関における求人・求職の取扱件数、
社会的な需給などに基づいて体系的に分類したもの。
今般の改定は
・2011年改定以降の社会経済情勢の変化に伴う産業構造・職業構造の変化
・求人・求職者の職業認識との乖離が生じている分野でのマッチング上の課題
などに対応し、
「求人・求職のマッチングをより円滑に行えるようにする観点」から行われたものです。
図表等出典・引用:
独立行政法人 労働政策研究・研修機構「職業分類表 改定の経緯とその内容」
■改定内容の概要
マッチングの観点などから、
以下の見直し・改定が行われています。
・大分類項目表記
アルファベット1文字から数字2桁に変更。
・中分類項目表記
数字2桁から数字3桁に変更。
・小分類項目表記
数字3桁から数字5桁に変更。
・細分類
原則廃止。ただし、求人数・求職者数が多い等の特段の理由が
ある場合は小分類項目に格上げ。
1.大分類の見直し
・旧大分類の異なる複数の項目を統合して新たな分類項目を設定
(具体例)
「B 専門的・技術的職業」を分割し、
「E サービスの職業の一部と統合し、以下の大分類を新設
▽
02 研究・技術の職業
03 法務・経営・文化芸術等の専門的職業
など
・項目名をわかりやすいものとなるよう見直し
(具体例)
・生産工程の職業 ⇒ 製造・修理・塗装・製図等の職業
・建設・採掘の職業 ⇒ 建設・土木・電気工事の職業
2.中分類の見直し
・分類項目の新設、分割、名称変更
(具体例)
①「情報処理・通信技術者」を
「情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発)」と
「情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発を除く)」に分割
②大分類「保育・教育の職業」の新設に伴い、
中分類に「保育士、幼稚園教員」を新設
③旧中分類「一般事務の職業」を分割して以下の中分類を新設
・総務・人事・企画事務の職業
・一般事務・秘書・受付の職業
・その他の総務等事務の職業
・電話・インターネットによる応接事務の職業
・医療・介護事務の職業
④「介護サービスの職業」を
「施設介護の職業」と「訪問介護の職業」に分割
3.小分類の見直し
・旧小分類と旧細分類を統合、新たな分類項目を設定
(新たに設定した小分類項目)
①技術者
②販売員
③福祉施設指導専門員
④調理人
・旧小分類を分割・細分化。
(分割・細分化した小分類項目)
①看護師・准看護師
②販売員
③介護員
④トラック運転手
職業分類の構成
新旧対照は以下の通りです
図表出典:山梨労働局「厚生労働省編 職業分類改定のお知らせ」
■適用日
既に令和4年4月14日より対外公開・利用可能となっていますが
ハローワーク業務での活用は、令和5(2023)年3月からを予定とのことです。
詳しくは、下記【出典・引用】各URLから
ご確認ください。
欲しい人材に響く! 求人票の書き方 ( ひと手間でマッチング向上 「職業分類」欄の活用)
来年 2023(令和5)年3月から
ハローワーク求人等で活用が予定されている
「令和4年改定版 厚生労働省編職業分類」
求人票では「職業分類」欄に反映される情報です。
この「職業分類」欄、平成23年改定版の現在でも
求職者側の「求人情報検索画面」上の
「希望する職種」欄に「職種を選択」ボタンで、
求人情報の絞り込み検索機能として実装されています。
画像出典:ハローワークインターネットサービス
「職種と分野の早見表 ~「職種を選択」ボタンのご案内~」
この「職業分類」欄、
求人企業側の求人アカウント
「求人者マイページ」求人情報入力画面では、
必須項目の「職種」欄の直下に"(任意)"となっています。
「職種を選択」を検索条件に求人サーチをしている
求職者の目に留まる可能性 = マッチングの向上を
期待したいところです。
「求人者マイページ」での登録手順は以下の通りです。
図表出典:厚生労働省リーフレット 「求人情報の入力のしかた」
とはいえ、せっかくひと手間かけて
求職者の目に留まる仕掛けをしても、
求人票の内容そのもののクオリティが原因で
「求職者にスルーされてしまう」ことは、
とても残念でもったいないことです。
2012年(平成24年)以来、10年にわたって
弊所が本連載コラムや商工会議所などでの
「求人票の書き方セミナー」等の機会に
繰り返しお伝えしていることは
「求人とは、集客。」
「求人票も、広告。」
という視点・考え方
集客ツールとして・広告として機能させるためには
「だれに・なにを・どう伝えるか」が大切なポイント
「ありきたりな・よくみかける・既視感しかない」
そんな、求人広告定番のコピー・フレーズだけの求人情報では、
応募がおぼつかない結果を招くことは、広告のそれと同じです。
いかに、自社が発信する求人票の情報に、
求職者の興味・関心を惹くエッセンスを盛り込むか?
「地に足のついた」自社ならではの
オリジナルな言葉・表現も盛り込みながら
"自社で働く魅力・仕事の魅力・会社の魅力"の3要素を、
「多すぎず・少なすぎず」な適量で
「わかりやすく・丁寧に」伝えておきたいところです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
【出典・引用】
・独立行政法人 労働政策研究・研修機構 2022年12月14日
「第5回改定厚生労働省編職業分類 職業分類表 改定の経緯とその内容」
▽
https://www.jil.go.jp/institute/seika/shokugyo/bunrui/index.html
同「職業名索引」
▽
https://www.jil.go.jp/institute/seika/shokugyo/sakuin/index.html
・ハローワークインターネットサービス
「求人情報の入力方法について」
▽
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/enterprise/ent_inputmethod03.html
同「求人情報の入力のしかた」(PDF)
▽
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/kyuujinnjouhounonyuuryokunosikata.pdf
同 職業分類に関するご案内
▽
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/info/mhlw_job_info.html
同 職種と分野の早見表 ~「職種を選択」ボタンのご案内~
▽
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/member/job_offer_search05.html
・山梨労働局 厚生労働省編職業分類の改定について
▽
https://jsite.mhlw.go.jp/yamanashi-roudoukyoku/_43480/hellowork_oshirase/shokugyobunrui_kaitei.html
※本連載コラムは、各省庁ホームページ公開情報等
取材した内容を基に、記事として掲載しています。