1.用語の定義です。
(1)入職経路
事業所が新たに採用した常用労働者が、当該事業所(会社)に入職(就職)する際によった経路
すなわち、どの求人情報から就職したかのルートの定義です。
商工会議所、地方公共団体の広報、地方公共団体の職業紹介等
(2)入職経路での”広告”の定義
新聞・雑誌(求人情報誌を含む)・チラシ・はり紙・折込広告・の総体を言います。
テレビ、ラジオなどの募集広告・ネット上での求人広告を見て
応募した場合
2.現在の勤め先を選んだ理由
「安定所」を利用した者、「民営職業紹介所」を利用した者ともに、
・ 「仕事の内容に興味があった」
・ 「能力・個性・資格を生かせる」
・ 「労働時間、休日等の労働条件が良い」の割合が高い。
・「安定所」を利用した者では、「とにかく仕事に就きたかった」の割合が高い。については、
3.就業形態変化の割合
・「一般→一般」の転職入職で「安定所」、「民営職業紹介所」、「前の会社」の割合が高い。です。なお、「広告」については、本コラム1.の定義によるものです。
・「パート→一般」の転職入職で、「安定所」の割合が高い。
・「パート→パート」への転職入職で、「広告」の割合が高い。
4.入職後の職業と入職経路割合
・事務従事者、保安職業従事者、生産工程従事者、
輸送・機械運転従事者、建設・採掘従事者等で「安定所」の割合が高い。
・管理的職業、専門的・技術的職業従事者、
事務従事者、生産工程従事者で、「民営職業紹介所」の割合が高い。
5.転職に関するイメージなど
(1)職業能力向上のための複数企業経験の有効性
(2)入職者の内訳(企業規模別)
・ 時系列でみると、大企業、中企業で転職入職者の割合が増大する傾向となっている。となっています。
・ 企業規模別では、企業規模が小さいほど転職入職者の割合が大きい。
6.データからみる求人戦略のヒント
(1)仕事を選ぶ理由から
① 「仕事の内容に興味があった」
仕事の内容をより具体的にイメージしてもらえる情報
② 「能力・個性・資格を生かせる」
仕事で要求されるスキル・経験・資格などの情報
③ 「労働時間、休日等の労働条件が良い」
休日シフトなどの決め方・昇給の決め方・変動要素のある手当の決め方などの情報
(2)就業形態の変化から
① 過去の経験の何が活かせるか
② 経験が浅くても、研修・育成システムがあるか
③ 能力開発・資格取得など、将来のスキルアップのシステムがあるか
(3)各求人媒体の特性から
「パート→パート」への転職入職で、「広告」の割合が高い。
大企業と比較した場合、
大企業においては「ハローワークへの求人」以外にも
「就職ポータルサイトの利用」や「自社ホームページを作成」等の
割合が高くなっており、
このような大企業と中小企業の違いは
経営資源の差が一因になっているとも考えられる。
7.「平成25年度雇用政策研究会報告書」が示唆する方向性
と考える次第です。
新年度になり、求人活動が本格化するこれからの時期。
短期集中連載企画として、
”データから読み解く求人戦略”
1.白書初!平成25年版厚生労働白書 「若者の意識を探る(仕事に関する意識)」から、
求人戦略を検証してみました。
↓
【短期集中連載(1/5)】白書初!平成25年版厚生労働白書 「若者の意識を探る(仕事に関する意識)」から、求人戦略を検証してみました。
2.「介護労働者の就業実態と就業意識調査(平成24年版)」から、
求人戦略を検証・解析してみました【その1】
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【短期集中連載(2/5)】「介護労働者の就業実態と就業意識調査(平成24年版)」から、求人戦略を検証・解析してみました【その1】
3.「介護労働者の就業実態と就業意識調査(平成24年版)」から、
求人戦略を検証・解析してみました【その2】
↓
【短期集中連載(3/5)】「介護労働者の就業実態と就業意識調査(平成24年版)」から、求人戦略を検証・解析してみました【その2】
4.白書初!「子育て世代の就業意識(H25年版厚生労働白書)」から、
求人戦略を検証・解析してみました。
↓
【短期集中連載(4/5)】白書初!「子育て世代の就業意識(H25年版厚生労働白書)」から、求人戦略を検証・解析してみました。
そして、今回、
5.平成26年2月6日リリース!「平成25年度雇用政策研究会報告書」から、
求人戦略を検証・解析してみました。
の5篇をお送りしました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸甚です。
では、また。
※本コラムの内容は、各所取材の上、入手した情報を基に、
記事として掲載させて頂いております。
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