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  1. [求人ジャーナリストの連載コラム] Heart Rock Frontline NEWS
  2. 【連載コラム:求人票の書き方 】:欲しい人材に響く! 求職者から「選ばれる」求人票の書き方
  3. 社会インフラを支える職業三つのグループ 人手不足の現状・特徴と求人票 [求人票の書き方#23-2025] ※令和7年版労働経済白書より 
 

社会インフラを支える職業三つのグループ 人手不足の現状・特徴と求人票
[求人票の書き方#23-2025] ※令和7年版労働経済白書より 

2025/11/08

***求人票の質を変える「虫の目・鳥の目・魚の目」***

 

「令和7年版労働経済白書」


令和7年版で76回目の公表となる「労働経済白書」

(以下、「白書」)は、一般経済や雇用、労働時間などの

現状や課題について、統計データを活用して分析する報告書です。


最新の白書データをご紹介してきました

本連載コラム、今回は番外篇です。


労働経済白書データの出所にさかのぼり

求人票の書き方を検証します。


※以下の資料は、厚生労働省ホームページ等の

出所で公開されている資料等より引用します。

[令和7年版労働経済白書]社会インフラ関連職 3グループ 人手不足の現状と特徴


今回ご紹介するデータは「令和7年版労働経済白書」
第Ⅱ部 第2章 のテーマは
「社会インフラを支える職業の人材確保に向けて」

白書では、人手不足がみられ、
安定的な人材確保が求められる
「社会インフラを支える職業」を
 ・医療・保健・福祉グループ:命に関わる仕事
 ・保安・運輸・建設グループ:物流・インフラに関わる仕事
 ・接客・販売・調理グループ:日々の生活に関わる仕事
の三つの職業グループに分類
 第1節 社会インフラを支える職業が直面する人手不足の現状
 第2節 社会インフラを支える職業の特徴
 第3節 社会インフラを支える職業の人材確保に向けて
の構成でさまざまな角度から分析を行っています。

概要は以下の通りです

【新規求人数の推移(第2-(2)-2図)】
  白書では2024年の動向について以下をコメントしています。
 ■社会インフラ関連職は相対的に高い需要がある
  「社会インフラ関連以外の職種(以下「非社会インフラ関連職」)の約1.25倍 
 ■「医療・保健・福祉グループ」・「保安・運輸・建設グループ」は
  感染症の拡大後の2020年に大きく減少したが、2024年は2019年の水準に戻りつつある
 ■「接客・販売・調理グループ」は、2020年に大きく減少。
  2024年においても2019年の水準を大きく下回っている。
 ■求職者数に着目すると、社会インフラ関連職の新規求職者数は、
  2024年で非社会インフラ関連職の約4割にとどまり、相対的に労働力供給が弱い 
  ※第2-(2)-3図コメントより
 
【就業者数の推移(職業グループ別)(第2-(2)-6図)】
 社会インフラ関連職 三つのグループ
 就業者数の推移について、白書では以下をコメントしています。
 ■医療・保健・福祉グループ 第2-(2)-6図(1)
  ・2024年で女性が男性の約2.5倍、男女ともに緩やかな増加が続いている
 ■保安・運輸・建設グループ 第2-(2)-6図(2)
  ・2024年で男性が女性の約8倍と大きく偏りがみられる
  ・女性就業者数は緩やかに増加傾向、男性就業者数は2020年以降減少傾向
 ■接客・販売・調理グループ 第2-(2)-6図(3)
  ・2024年で女性が男性の約1.7倍
  ・男性・女性の就業者数ともに、2020年に大きく減少
  ・女性就業者数の落ち込みが大きく、現在も2019年の水準を大きく下回っている
 白書では
  ・社会インフラ関連職はグループごとに性別構成に偏りがみられる
  ・「保安・運輸・建設グループ」では男性就業者数の減少が顕著 
 と結んでいます

【正規雇用労働者比率・雇用形態別雇用者数の推移(職業グループ別)(第2-(2)-8図)】
 正規・非正規の雇用形態の違いに注目した傾向について、
 白書では以下をコメントしています。
 ■医療・保健・福祉グループ 第2-(2)-8図(1)
  ・正規・非正規雇用労働者数ともに増加
  ・正規雇用労働者数の増加が非正規雇用労働者数の増加を上回り、
   近年では正規雇用労働者比率も緩やかに上昇。
 ■保安・運輸・建設グループ  第2-(2)-8図(2)
  ・正規・非正規雇用労働者数のいずれも近年緩やかに減少
  ・正規雇用労働者比率はほぼ横ばい。
 ■接客・販売・調理グループ  第2-(2)-8図(3)
  ・正規雇用労働者数より非正規雇用労働者数が多く、
   正規雇用労働者比率は低くなっている。
  ・正規雇用労働者数はおおむね横ばいで推移
   非正規雇用労働者数は2020年に減少した後は増加傾向
 白書では
  ・社会インフラ関連職は、非社会インフラ関連職と比較して正規雇用労働者比率が低く、
  ・今後、必要な人材を確保していくためには、希望する労働者の正規雇用化を進めるなど、
   必要に応じた雇用形態における処遇の改善が重要
 と結んでいます
 
【年齢構成比の変化(職業グループ別)(第2-(2)-10図)】
 三つのグループの若年層の参入状況など年齢構成の変化について、
 白書では以下をコメントしています。
 ■医療・保健・福祉グループ
  ・他のグループと比較して、全年齢に占める65歳以上の割合は低いものの、上昇傾向がみられる
  ・これにより同グループにおける就業者の高齢化が進行していることがうかがえる
 ■保安・運輸・建設グループ
  ・他のグループと比較して全年齢に占める65歳以上の割合は高くなっており、
   2024年には約17%に達している
 ■接客・販売・調理グループ
  ・65歳以上の割合が年々上昇している
  ・2015年に最も割合が高かった35~44歳の層を、若年層である15~24歳の割合が徐々に上回り、
   2024年にはこの15~24歳が最も高い割合を占めるように推移

【社会インフラ関連職の仕事の価値観(第2-(2)-19図)】
 白書では以下をコメントしています。
 ■社会インフラ関連職の仕事への満足度 [第2-(2)-19図(1)]
  「奉仕・社会貢献」・「良好な対人関係」・「達成感」・「自律性」といった項目の
  スコアが、非社会インフラ関連職よりも社会インフラ関連職の方が高い傾向
 ■職業グループ別の仕事への満足度 [第2-(2)-19図(2)]
  ・「医療・保健・福祉グループ」では「奉仕・社会貢献」「達成感」
  ・「保安・運輸・建設グループ」では「達成感」「自律性」
  ・「接客・販売・調理グループ」では「良好な対人関係」「達成感」
  で高いスコアが示されている 
  ※ここでの「仕事の価値観」は、厚生労働省が運営する「職業情報提供サイト(job tag)」で
   提供される仕事価値観に関わる10項目のスコアを活用したもの

ここまでの図表出典:令和7年版 労働経済の分析
第Ⅱ部 第2章 社会インフラを支える職業の人材確保に向けて

本調査の詳細は下記【出典・引用】
URLからご確認ください。

【関連コラム】


求人票の書き方・伝え方求人票の質を変える「虫の目・鳥の目・魚の目」


白書が定義した「社会インフラ関連職」
 ・医療・保健・福祉グループ:命に関わる仕事
 ・保安・運輸・建設グループ:物流・インフラに関わる仕事
 ・接客・販売・調理グループ:日々の生活に関わる仕事
の3つのグループの職業領域は感染症の拡大以降
「エッセンシャルワーカー」や「キーワーカー」
とも呼ばれ、データでも見たように
人手不足と人材確保が事業継続の重要課題であることは
ご存じの通りです。

求人相談・コンサルの現場でも、
人材確保・採用のため、
さまざな有料求人媒体や自社採用ページに展開しても
反響が・・・な困りごと・課題をお聴きします。

最近のハローワーク求人票の書き方
ノウハウには「仕事内容」欄 最初の3行
などに触れるものをよくみかけます。

さて、そんな旬(?)な「求人票 最初の3行」
仕事内容の関する情報に先だって
「採用の間口・熱意」や「ウェルカムな親近感」の
アピールを狙ったような
 ・あなたのやりたかったことはなんですか?
 ・あなたを〇〇を仕事にしてみませんか?
 ・あなたの〇〇を叶えてみませんか?
 ・私たちと一緒に〇〇しませんか?
など、
新卒・就活生向け求人サイトや新卒採用ページで
あるあるな"呼びかけフレーズ"をちりばめた
手本もみかけます。
 
一見するとそんな見せ方・アピールは、
上記で紹介した「社会インフラ関連職」の
仕事の価値観の特徴である
「奉仕・社会貢献」や「自律性」や「達成感」に
親和性が高そうに思えます。
 
ですが、業界の就業経験があったり、
職業経験(同業種・他業種)が豊富な
ミドル・シニア層やパートタイムでの就業を
希望するみなさんにはどう映るでしょうか?

これまでの求人相談・コンサルで
拝見したコンテンツを振り返ると
有料求人媒体のフォーマットでは
仕事情報など本論に入る前にリード文を
入れる枠が設けられるケースが多く
自社の採用ページも同様なレイアウトの
ケースが多いように感じます。

そんなレイアウトであれば
リード文として求職者に呼びかけるスタイルは
まだ違和感・唐突感を感じることはないように
思います。
※リード文で書かれた内容がどうであるかは
 十分な検討・検証が必要ですが・・・

ですが「1行30文字×12行」の
ハローワーク求人票「仕事内容」欄
その1/4=25%を費やす「最初の3行」では
どうでしょうか?

「最初の3行が大事」だからこそ
全体のバランスに鑑みてみても
その構成には細心の注意を払いたいところです。

"狙いすぎ・ウザい・あざとい・胡散臭い"
たった一言・ワンフレーズが”そこにあった”がために
全体のイメージ・印象を反転させてしまうことは
巷のあちこちで見かけたことがあると存じます。

なにを・どんな構成(順序・レイアウト)で?
どうビルドアップするかは、なにも求人票に
限ったことではなく、ビジネスシーンでの
プレゼンテーションの場面でもよくある話です。

せっかく頑張って書き上げた求人フレーズです
 ・わかりやすい求人票とは?
 ・読みやすい求人票とは?
 ・独りよがりな内容となっていないか?
原点に返ったり、さまざまな視野・視点・視座で
検証・検討することが「求人票の質」向上につながります。

みなさんは
「虫の目・鳥の目・魚の目」と
いう言葉をご存じでしょうか

一般的には概ね
 ①虫の目:目の前のものに集中して見る目
 ②鳥の目:空から全体を俯瞰して見る目
 ③魚の目:流れを読んで先を見通す目
などと分類・定義されていますが
これを「求人票の書き方」に当てはめていくと

「虫の目」とは、
求める人材像や求職者の目線と向き合って
自社が発信する素材・フレーズを検討する視点

「魚の目」とは、
労働市場の動向や、求職者の価値観の変化・
関心事などのトレンドをキャッチアップする視点

そして「鳥の目」とは、
最後に出来上がった求人票の全体を俯瞰して
出稿の可否・手直しの要否を検討する視点

などと
「広い視野を持って1枚の求人票を
 深く検討・検証すること」
と捉えることができます

求人票は
 ・興味・関心を惹いて
 ・選んでもらって
 ・読んでもらって
ナンボの読み物=広告物です

ただ伝えたいことを、
一方的羅列していては
「求人票の質」も上がらず、
洗練された求人広告にはなりません。

「求人とは集客、求人票も広告」
構成・デザインも広告のうちです

「画竜点睛を欠く」ことのなきよう
"最後の詰め"・"ほんのひと手間"を
どうぞ大事にしてください。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。

【出典・引用】
「令和7年版 労働経済の分析」を公表します 令和7年9月30日

令和7年版 労働経済の分析 -労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて-

※本連載コラムは、各所ホームページ公開情報等
取材した内容を基に、記事として掲載しています。




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