2020年3月19日 厚生労働省が開設した
「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」
労働市場の「見える化」を目指し
動画コンテンツを含む約500の職業の解説、
求められる知識やスキルなどの「数値データ」を盛り込んだ、
総合的な職業情報を提供するサイトです。
本連載コラムでは
「職業情報提供サイト」開設当初から、
コンテンツに実装された採用支援ツールを
活用した「求人票の書き方」をご紹介してきました。
今回のコラム、
2021年2月25日のリニューアルで
新たに実装された人材採用支援ツールの
活用法をご紹介致します。
※以下の資料は、厚生労働省ホームページ等で
公開されている資料より引用します。
「日本版 O-NET」 厚労省が提供する人材採用支援ツールの概要
令和2年(2020年)3月19日に厚生労働省が開設した
「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」
2021年2月25日のリニューアルで
新しく実装されたコンテンツは
「職業情報提供サイト(日本版O-NET)求人ガイド」
人材募集・採用までの流れにそって、
企業が採用活動の準備を進めるためのガイドブックです。
(以下、本コラムでは「求人ガイド」・「ガイドブック」と表記)
「職業情報提供サイト(日本版O-NET)求人ガイド」
では採用活動の進め方を6つのステップに分類
各ステップで
求める人材を採用するためのポイントと
リニューアルされた「日本版 O-NET」に
実装された支援ツールの活用法を解説しています。
各ステップと活用ツールの関連
「求人票の作成」までは以下の通りです。
※以下、( )内は「日本版 O-NET」のツール
■ 採用計画の策定
・求める人材像を明確にする(人材採用支援)
経験、スキル・知識等どのような能力を持った人材を採用したいのかを明確にするために活用
・業務内容を明確にする(職業情報)
採用する人材に、どのような仕事を行ってもらうのかを明確にするために活用
■ 求人要件の決定
・求人要件を明確にする(人材採用支援)
・労働条件を明確にする(職業情報)
採用予定の職業の「賃金相場」や「平均労働時間」などの確認に活用
■ 求人票の作成
・応募しやすい求人票を作成する(職業情報人材採用支援)
求める人材像が伝わり、分かりやすい、応募しやすい求人票を作成するための材料に活用
図表出典:職業情報提供サイト(日本版O-NET)求人ガイド
「職業情報」ツールでは
募集職業の一般的な状況確認のための
「フリーワード検索」のほか
・テーマ別
・職種カテゴリー
・免許・資格スキル
・知識
・職業分類
・産業別
の検索ツールも実装
求職者向けの「仕事内容」の解説や労働条件の特徴に加え
就業者数・労働時間・賃金(年収)・求人賃金(月額)などの
客観的指標・数値も「就業者統計データ」で確認できます。
「人材採用支援」ツールでは、
データベースにストックされた
約500の職業情報を基に、
・タスク
選択した職業分類の具体的な仕事内容を言語化
・仕事能力プロフィール
「スキル・知識・興味・仕事価値観・仕事の性質」の構成要素別に
言語化した求める能力
を検索表示
求める人材の職務要件(仕事内容、必要なスキルや知識等)を
言葉で明確化するとともに
オンライン上で、自社求人に合わせて求人要件をカスタマイズ
「職務要件シート」にまとめてダウンロードすることも可能です
詳しいオペレーションなどは、
下記【関連コラム】や【出典・引用】の
職業情報提供サイトの「求人ガイド」でご確認ください
【職業情報提供サイト(日本版O-NET)関連コラム】
求人票"仕事の内容"を簡単生成 厚労省「職業情報提供サイト」活用術【求人票の書き方 #19-2020】
"欲しい人材像"3つのSTEPで簡単生成 厚労省 採用支援ツールをリリース【求人票の書き方 #18-2020】
【出典・引用】
職業情報提供サイト(日本版 O-NET)
▽
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/
日本版 O-NET 企業向けページ
▽
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/UseInCompanies
※「求人ガイド」(PDF)・「求人ガイドワークシート」(Excel)は
「各種ツール」からDLできます。
欲しい人材に響く! 求人票の書き方(「日本版 O-NET」ツールを活用した求人票の書き方 )
今般のコラムでご紹介した
「日本版 O-NET」の「求人ガイド」
このガイドブックには
「求人ガイドワークシート」
(以下、本コラムでは「ワークシート」と表記)も実装
下記、3つの機能をもつシートで構成されています
■ ワークシート1:採用計画の策定
採用の背景・目的、採用する人材の属性、
採用予定人数、採用期限、業務内容の整理に使用
■ ワークシート2:求人要件の整理
求人要件、労働条件の整理に使用
■ ワークシート3:自社情報の整理
自社情報の整理に使用
図表出典:職業情報提供サイト(日本版O-NET)求人ガイド
「ワークシート」の各項目には、
活用できる「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」の
支援ツールを図示
また「求人ガイド」では、
ワークシート1からワークシート3で記入した
内容を基にした"求人票作成のポイント"を解説
求職者が入社後をイメージしやすく、
応募者が集まりやすくなる「良い求人票」を
書くためのポイントを4つにわけて解説しています。
・ポイント1のテーマは「仕事の内容を詳しく、分かりやすく書く」
ガイドブックでは
「仕事・業務の内容を説明するにあたり、日本版 O-NET に
記載されている文言や用語を用いることで、求職者との間での
言葉の取り違え、齟齬、誤解を少なくすることができます。」
と書き方のポイントを解説しています。
・ポイント4のテーマは「社風等の発信」
・「この会社で働くイメージ」や
・「職場の先輩・上司、後輩・部下になる人たちの雰囲気」
など発信ポイントを解説しています。
ともに共通した「求人票の書き方」として掲げる
ポイントは「具体的な記載であること」
「具体的な記載であること」
ガイドブックでは
・具体性のある仕事内容は、入社後をイメージしやすい
・逆に「イメージ」・「雰囲気」が抽象的な表現になりすぎることは
入社後にギャップを感じさせる要因となる
とその効能を解説しています。
そして、求人票の「具体的な記載」に大切なことは
・具体的にイメージさせる素材(ネタ)をいくつストックしているか
・自社の魅力をどれぐらいの深さで言語化できているか
具体的な・オリジナルな表現で自社の社風を表現するためには
そのベース・叩き台となる素材をいくつ手元に持っているかが
"求職者に響く求人コピー"を書き起こすキーファクターです。
そこを十分に吟味しておかないと
「やりがいのある仕事です」や
「アットホームな職場です」のような
"巷にあふれるありがちな求人コピー"に
流れてしまいがち
広告コピーのライティングでもそうであるように、
求職者に響く求人コピーのライティングでも、先ずは
「思いつくまま言葉にして、ネタ出しをしてみる」
ことが近道です。
とはいえ、いきなり求人票作成を目的に
"自社の魅力"を独力で言語化することは
とっつきにくくハードルが高い作業
今般ご紹介した「日本版 O-NET」に実装されている
採用支援ツールやガイドブック・ワークシートの
活用はその"近道の道標"となり得るものです。
2012年(平成24年)以来、
本連載コラムや商工会議所などでの
「求人票の書き方セミナー」で
繰り返しお伝えしていることは
「求人とは、集客。」
「求人票も、広告。」
▽
「求人票とは、面接の場に応募者を
集客するための情報発信ツール」
という視点と考え方です
「求人を出す」という行為は、
・日頃求人情報に接している求職者に向け
・なんらかの求人媒体を選択して
・自社の求人情報を発信すること
に他なりません。
ガイドブックでも
・求職者は、求人票をじっくり読み込み、数ある中から応募する企業を選ぶ
▽
・求める人材に選んでもらうためには、自社を魅力的にアピールし、
求めている内容が明確で分かりやすい求人票を作成する必要がある
▽
・企業としての魅力をアピールし、"こういう人材を求めている"ということを
明確に伝えることが大切
と解説していますが
どんなに有名な求人媒体にお金をかけて求人を出しても、
・求職者に、自社求人を読んでもらえなければ
・求職者が、自社求人に興味・関心を持ってもらえなけば
・求職者に、自社求人で伝えるメッセージを理解してもらえなければ
その広告効果は"ゼロ"。投入した広告費は
無駄な投資となり果てます。
「どこに出すか?」以上に大切なことは
「だれに・なにを・どう伝えるか?」
求人票も書き方次第
求人情報も伝え方次第です
今回のコラムでご紹介した
厚労省が提供する人材採用支援ツール
求人票作成のサポートツール・ワークシートは、
巷でみかける「〇〇の求人△△シート」な類いを
わざわざお金を出して購入せずとも
厚労省が運営する「職場情報提供サイト」から
"無料でダウンロード"ができます。
みなさんの求人・採用活動の
ブラッシュアップにご活用ください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
※本連載コラムは、各省庁ホームページ公開情報等
取材した内容を基に、記事として掲載しています。