【連載コラム:求人票の書き方 #19-2020】
「仕事内容は最も注目される項目です」
「具体的にわかりやすく伝えましょう」
「いっぱい書いてアピールしましょう」
ネットの世界などでは、
こんな文脈で語られる
"求人ノウハウ"や"求人票の書き方"の
コンテンツがあふれています。
ですが、求人票を書く際に
一番ハードル・難度が高い作業は
「どんな言葉・表現で伝えるか」
そんな
"自社の仕事内容の言語化"です。
2020年3月19日 厚生労働省は、
「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」
の運用を開始しました。
そのコンテンツには、
企業向けの人材採用支援ツールが
実装されています。
今回のコラム、
その支援ツールを活用した
求人票の書き方を
ご紹介・ご提案致します。
※以下の資料は、厚生労働省ホームページ等で
公開されている資料より引用します。
厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「人材採用支援メニュー」の概要
「O-NET」とは「OCCUPATIONAL INFORMATION NETWORK」の略称
米国労働省が1998年から公開している
職業情報データベース(O*NET)の日本版として
職業情報を「見える化」し、求職者等の就職活動や
企業の採用活動等を支援する"職業情報提供サイト"です。
今回ご紹介するのは、
【企業向け】・【支援者向け】として
実装されている「人材採用支援」メニューです。
約500の職業情報を網羅した「職業情報データベース」を基に、
求める人材の職務要件(仕事内容、必要なスキルや知識等)の
明確化を支援するこのツールは、
STEP.1の「求める人材に近い職業を選択」からスタートします。
【職業検索】アイコンでの検索は
「フリーワード検索」と
プリセットされた項目から選択する
「職業分類検索」の
2つのツールが用意されています。
いくつか職業を
フリーワードで検索してみましたが、
かなり細かな職種名が表示され選択できました。
ご参考までに、一例をご紹介致します。
■ 検索ワード:運転手
・路線バス運転手
・観光バス運転手
・タクシー運転手
・トラック運転手
・送迎バス運転手
・・・・(中略)
・産業廃棄物収集運搬作業員
・ルート配送ドライバー など
■ 検索ワード:介護
・介護支援専門員
・介護事務
・介護タクシー運転手
・施設管理者
・・・・(中略)
・作業療法士
・福祉用具専門相談員 など
■ 検索ワード:建設
・建設機械オペレーター
・建設・土木作業員
・建設設計技術
・・・・(中略)
・サッシ取付
・電気工事士
・型枠大工
・とび など
STEP.1で、職種(職業)をチェックし
【次へ】をクリックするとSTEP.2では、
・関連資格
・タスク(その職種の細かな仕事の内容)
・しごと能力プロフィール
(スキル・知識・興味・仕事価値観・仕事の性質)
などが「職業情報データベース」を基に職種別に生成され
グラフ・数値も交え可視化・言語化されて表示されます。
実際に検索してみて、
データベース仕様など諸々の要因からか
選択した職種のタスク表示が十分ではない
ケースも見受けましたが、検索する職種を
「検索職種に近い職業」で選択すれば
活用可能な使い勝手となっています。
【画像等出典・引用】
厚生労働省ホームページ 2020.03.18報道発表
「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」を3月19日に開設します
▽
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10257.html
厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET)
▽
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/
「操作・活用マニュアル」は提供サイトの
「利用方法」からDLできます。
▽
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/howto
欲しい人材に響く! 求人票の書き方(「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」活用術)
「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」の操作で
抽出・生成・表示した"細かな仕事の内容(タスク)"
その素材を活用して、自社の求人票へ展開するには
以下の3つのステップで「自社の求人内容」を
検討してみてください。
■ STEP.1 セレクト
表示されたタスクから自社の仕事内容を
表現するに相応しい素材を選択するプロセスです。
表示されるタスクは、職種によっては数が多く
文字数の制約のある求人票では全てを掲載する
ことは困難です
※「仕事内容」欄は最大360文字(30文字×12行)
また、細かな仕事の内容がびっしり埋まった
求人票は読み手に、
・「ハードル高いし大変そう・・・」
・「やることいっぱいありすぎ・・・」
なネガティブなイメージを与えかねません。
自社の仕事内容を的確に表現できそうな
"良い素材"を"厳選して"選んでください。
■ STEP.2 カスタマイズ
STEP.2は、STEP.1でセレクトした素材を基に
求人票向けのフレーズへと整え・構成するプロセスです。
共通・共用リソースである「職業情報データベース」を
基にした各タスクの表現・文言は、その用途・特性からも
汎用的なフレーズで表示されます。
そのままでは、求人票で求職者に
「"うちの会社"の仕事内容」の
自社の個性は出ないことはもちろん
難しく冗長な表現も求人コピーとしては、
"取っつきにくい印象"を読み手に与えがち
各タスクで表示されたフレーズから
"足す・削る・引っ付ける"などの
的確なアレンジを加えることが
このプロセスのポイント
「自社が求める人材像」に
自社の仕事内容を理解してもらい、
興味・関心も持ってもらえるよう
カスタマイズしてください。
※下記【関連コラム】では、職種を
「社会保険労務士」・「人事コンサルタント」として
■ STEP.3 トッピング
最終工程のSTEP.3は、
「自社の仕事の魅力」を演出する
素材の選定とトッピングのプロセス
「どうせ同じ仕事をするなら、
こっちの会社のほうが良さそう」
求職者の職業選択の心理を鑑みれば
「具体的な仕事の内容」とは、
その仕事をする"就業環境"もセット
トッピングメニューとして考えられるのは
・日々の仕事のどうやって進める?
・仕事を進めるうえで大事なことは?
・どんなメンバーと仕事をするのか?
・作業場所は?どこのなにを担当するのか?
・入社直後は、なにをどうする?
などの「仕事に関する周辺情報」の素材です。
そのネタとフレーズは百社百様、
無限な組み合わせがあるはずです。
そして、そのトッピングの妙味が
「うちの仕事の個性・独自性」を
際立たせるスパイス
自由な発想とオリジナリティあふれる表現で
求職者に訴求してください。
2012年(平成24年)以来、
本連載コラム・求人票セミナーなどで
お伝えしている通り
「求人とは、集客。」
「求人票も、広告。」です。
求人票コピーライティングと
求人情報の見せ方(=構成)は
求人票の書き方のコアなノウハウ。
一番注目され・関心の高い
「仕事内容」欄だからこそ
求人票の読み手である求職者目線に立って
"わかりやく"・"ていねい"に
伝えておきたいところです。
求人票も書き方次第
求人情報も伝え方次第
その極意を
わかりやすくたとえれば、
「うちはうち、よそはよそ」
そんな発想と視点に立てば
絶対的な法則やたった一つの
お手本・正解などあるわけもなく
だからこそ、
みなさんの会社の”求人の魅力・個性"を
求職者に訴求することができるはずです。
みなさんは、まだ見ぬ
"欲しい人材"・"求める人材"に
なにを・どう伝えますか?
弊社では、
ハローワーク求人票、求人・事業所PRシートをはじめ
採用ページ・各種媒体のリライトなどのご相談も対応しております。
よい採用の実現に、弊社のノウハウをご活用頂ければと存じます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
※本コラムは、各メディア情報等取材した内容を基に、
コラム記事として掲載しています。