【連載コラム:求人票の書き方 #32-2019】
「労働経済白書」
一般経済や雇用、労働時間などの
現状や課題を統計データを活用して
分析する報告書です。
2019年9月27日
通算71回目 厚生労働省から
令和元年版が公表されました。
令和元年版の分析テーマは
「人手不足の下での
『働き方』をめぐる課題について」
求人・採用の参考となるデータも
多数報告されています。
今回のコラム、ピックアップするのは
「都市圏と地方圏の求人募集状況」
求人票の書き方・求人戦略を検証します。
※以下の資料は、厚生労働省
ホームページで公開されている資料より引用します。
【令和元年版 労働経済白書より】都市圏・地方圏 求人募集の状況と人手不足感
今回のコラム、
ピックアップするデータは
第Ⅰ部 第1章
「我が国を取り巻く人手不足等の現状について」から
人手不足の現状に関するデータ・報告です。
■三大都市圏と地方圏 人手不足感の推移
2013年→2018年の人手不足感の推移
「非正社員」については、
三大都市圏と地方圏の人手不足感の変化に
大きな乖離はみられないものの
「正社員」については、
大企業・中小企業・小規模企業の規模を問わず
地方圏企業の人手不足感の深刻さが伺える結果となっています。
■求人募集の状況について
白書では、求人募集の状況について
三大都市圏と地方圏にも区分して現状を分析しています。
人手不足で求人募集した際の状況
・第2-(1)-15図の(1)
全体の状況では
①募集しても、応募がない:60.9%
②応募はあるが、応募者の資質が
自社の求める水準に満たなかった:23.6%
③応募があり、応募者の資質は自社の求める水準であったが、
求職者が求める処遇・労働条件等と自社の提示内容が折り合わなかった:5.6%
④採用に至ったが、早期に離職してしまい、定着しなかった:9.9%
・第2-(1)-15図の(2)
三大都市圏(ヒストグラム)に
地方圏(◇マーク)をプロットした比較では
・「①募集しても、応募がない」は、地方圏が上
・「②自社の求める水準に満たなかった」は、三大都市圏が上
そんな傾向・特徴が。
・第2-(1)-15図の(3)
産業別の「募集しても応募がない」と回答した割合では
・「宿泊業,飲食サービス業」:72.3%
・「建設業」:69.3%
・「医療,福祉」:64.7%
・「サービス業(他に分類されないもの)」62.4%
以上の産業が"全産業平均(60.9%)"を超え
・「製造業」:54.5%
・「運輸業・郵便業」:52.5%
・「卸売業・小売業」:48.7%
全体に「募集しても応募がない」に対する課題解決、
応募・反響につながる自社求人情報の訴求力強化が
人手不足解消のポイントであることがみてとれます。
【出典・引用】
厚生労働省 ホームページ
「令和元年版 労働経済の分析」を公表します
▽
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06963.html
欲しい人材に響く! 求人票の書き方
(給与・休日だけじゃない求人の訴求要素 求人情報の伝え方)
三大都市圏と地方圏との比較で
みえてきた求人募集の状況。
求人票で他社との違いを訴求できる要素は、
給与・休日といった労働条件や
仕事の情報だけではありません。
ハローワークへの求人申込書類のひとつ
「事業所登録シート」にも項目がありますが
「事業内容」・「会社の特長(≒特徴)」
そういった"会社そのものの魅力"を
求人票の読み手に伝えることもまた
「求職者に選ばれる・振り向いてもらえる求人票」
訴求力強化の1要素です。
「会社の特長」の訴求では、
他社との違い・各社独自の特色を
鮮明に打ち出して求職者に伝えておきたいところです。
たとえば
・いつ創業して、どんな歴史があって現在に至るのか?
・なぜ起業して、どんなビジョンを描いているのか?
・どんな業界で、どのあたりのポジションにいるのか?
・どんな事業を、どこで展開しているのか?
・どんな製品を、誰に提供しているのか?
"5W1H"の要素を組み合わせただけでも、
ステレオタイプな、よくあるフレーズに頼らない
"会社のウリ・特長"を表現できます。
30文字×3行で構成される
「事業所登録シート」の
「事業内容」欄・「会社の特長」欄や
「求人申込書」の
「特記事項」欄・「備考」欄を活用して
求人票の読み手である求職者のみなさんに、
"会社そのもの"に興味・関心を持ってもらえるような
情報を的確に・わかりやすく伝えておきたいところです。
そして、地方圏の求人募集。
求人ターゲットに
「U・I・Jターン希望者」も想定しているのであれば、
住居・移住に関する自社の福利厚生情報なども
応募を検討している"読み手の不安を解消"する情報です。
【特報!です】
2020年1月6日から、求人票の様式が変更されます。
これに伴い、"新求人票"では
「UIJターン歓迎求人」の求人票掲載・検索が可能となります。
▽
[2020年1月6日から]求人票の様式・公開方法が大きく変わります。【求人票の書き方 #34-2019】
※関連コラム
来年1月 "新求人票"で掲載可。データで読み解く「UIJターン歓迎求人」【求人票の書き方 #37-2019】
2012年(平成24年)以来、
本連載コラム・求人票セミナーなどで
お伝えしていますが、
「求人とは、集客。」
「求人票も、広告。」です。
たとえ、
文字数の制約があるにしても
文字しか使えない制約があるにしても
それは、各社とも同じ条件・ルールです。
「制約の中の自由」
その制約の中の創造性
”自由な発想と創意工夫”こそ
競合他社の求人に優位に立てる
"選ばれる求人票・求人広告"
書き方のコア・コンピタンス。
厳選・洗練された言葉・文章表現で
読み手の興味・関心を惹くような
"伝えておくべき情報"は、
的確に伝えておきたいところです。
そして、
「どこに出すか?」よりも
「だれに・なにを・どう伝えるか?」
いくら何十回・何百回クリックされようとも、
自社の求人内容が読み手に響かないままに
応募に繋がらないのであれば、それは
「集客できていない広告」です。
"売り手市場"とは、
読み手が、他社の求人情報と比較ができる状況
大切なことは、あくまでも現在。
広告の読み手である"求職者目線の情報発信"
読み手の興味・関心を意識しながら、
さまざまな要素・切り口で、
「自社で働く魅力・入社する魅力」を
自社の言葉で、的確に発信しておきたいところです。
そして、求人広告の読み手である求職者の
"応募する・しない"の意思決定・判断基準は
「この会社の求人は、自分にとってアリか?ナシか?」
あくまでも、求職者の主観・相対的な尺度での
選択であろうことは、想像に難くありません。
"求人広告でよくみかける ありがちなフレーズ"
よくある表現・曖昧なコピーや、
仰々しい表現・盛ったコピーで訴求するよりも、
自社独自の具体的事実(Fact)を踏まえた
オリジナリティあふれるコピーで訴求する情報のリアリティ。
そんな、
"自社独自(= 他社との違い)"を踏まえた言葉・
読み手を鮮明に意識し訴求するコンテンツが、
より、読み手に響く求人情報であろうことは、想像に難くありません。
求人票も書き方次第、
求人情報も伝え方次第。
求人票でも・有料求人広告でも・採用ページでも
その本質は、商品・サービスを広報・PRする
視点・考え方となんら変わりはありません。
弊社は、ハローワーク求人票のほか、
採用ページ・各種媒体のリライトなどのご相談も対応しております。
良い採用の実現に、弊社のノウハウをご活用頂ければと存じます。
最新の統計データ・エビデンスで読み解く
【連載コラム:求人票の書き方】
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最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
※本コラムは、各メディア情報等取材した内容を基に、
コラム記事として掲載しています。