「子供がいる専業主婦の80%以上が働きたい」
・37.9%が過去1年間に職探し。
・仕事を探さなかった人も含め、計86.2%が働きたいと考えていた。
・働く意向のない人は13.8%にとどまった。
このデータ、
12/04日付 日経電子版速報記事のデータです。
この根拠となったのが、
㈱リクルートジョブズの調査レポート
「主婦の就業に関する1万人調査」(2014年10月24日)主婦の就業。人手不足は新たな経営課題。
その解決策の一つの選択肢としてのテーマ、
「女性の活躍」にも符合します。
今回は、この調査データをご紹介するとともに、
求人戦略を検証しました。
※以下、
出典:㈱リクルートジョブズ
「主婦の就業に関する1万人調査」(2014年10月24日)
1.「8割」の根拠と就業意向
(1)「主婦の就業に関する1万人調査」の調査スペック
調査レポートの対象者は、以下のように定義されています。

この、
「既婚・子供あり」層の調査報告となっています。
(2)「『働きたい』が8割以上」の根拠

日経電子版速報記事にある数値の根拠は、
この分析セグメントのうち、無業者(2,540人)が根拠となっています。
・37.9%が過去1年間に職探し
962人(セグメントB)/ 2,540人≒37.9%
・仕事を探さなかった人も含め、計86.2%
(962人+482人+746人※ΣセグメントB〜D)/ 2,540人≒86.2%
・働く意向のない人は13.8%
351人(セグメントE)/ 2,540人≒13.8%
(3)「働きたい主婦」の就業意向と両立バランス
この
86.2%の「働きたい主婦」の
「就業意向」・「仕事と生活バランス」については、
以下の調査結果でした。


2.就職への不安度とその具体的理由
調査レポートでは、このように報告されています。

3.「ブランク期間と不安」の相関関係
子育て主婦の懸念する就業までのブランク期間と不安度に
関する相関関係の調査結果も報告されています。

4.有職者の就業データ
今、就業している層(=有職者)が就業に際して、
・どのような項目を重視したか
・働く条件の理想と実態
・どのようなことで「仕事のやりがい」を感じているか
この傾向を知ることは、
今後、就業意向を持つ主婦層に対するアプローチ。
求人戦略のヒントとなります。
ここからは、そのデータを幾つかご紹介します。
(1)仕事選び

(2)働く条件の理想と実態

(3)仕事のやりがい


5.求人戦略の検証
ここからは、私見ながら、
ご紹介したデータを基に求人戦略を検証します。
(1)「就業への不安」から
先にご紹介したデータ。
「就業への不安」の理由には、このような項目が挙がっていました。

ということは、
会社で、職場で、
このような
不安を解消できる施策・制度・配慮があれば、
積極的に求人情報として発信しておくことと、
応募モチベーションを上げることになろうかと考えます。
「不安の解消」の情報発信は、商品のPR戦略でもありますよね。
(2)「仕事選び」から
先にご紹介したデータ。
「仕事選び」の重視項目には、このような項目が挙がっていました。

このうち、勤務地条件は別として、注目したいのは、
「環境」に分類される
・6位 長く働けそうであること : 34.2%
・9位 安心して働けそうであること : 29.6%
そして、
「仕事内容」に分類される
・8位 希望する職種、仕事内容であること : 30.3%
環境については、
・「職場情報」として、「社内の雰囲気・状況」の情報発信。
仕事については、
先にご紹介した、
「ブランク期間と不安度」の相関関係にもリンクする部分でもありますが、
・「私にできる仕事」をイメージさせる求職者目線での「仕事情報」の発信がポイントになろうかと考えます。
(3)「勤務時間」から
この項目については、人事戦略とも関わってくることになりますが、
募集職務の就業時間(始業・終業時間なども)が
・フルタイムなどの長時間勤務が募集職務に本当に必要であるか。
・勤務時間を1時間・2時間短縮することでも採用目的を達成できるか。
などの視点から、時間設定を変えることも、
応募モチベーションを上げることになろうかと考えます。
(4)求人戦略のポイント
これは、
”求人票の書き方セミナー”でもお話しているのですが、
「求人は、商品PRと同じ」
つまり、
応募率を上げる仕掛けは、
「集客の情報発信」と同じです。
・求人ターゲットを想定し、
・求人ターゲットが欲しい情報を、
・求人ターゲットに響く言葉で発信する。
この戦略・言葉のチョイスがポイントとなります。
(5)効果的な求人票の書き方
求人票・求人申込書の「構造分析」をすると、
以下の3つのエリアに分類できます。
①「仕事情報」エリア
②「勤務(職場)情報」エリア
③「会社情報」エリア
「求人申込書」での記入欄は、
①「仕事の内容」欄
②「備考」欄
③「特記事項」欄
ここに、
・会社・職場・仕事の中小企業ならではの、”ウリ”となる情報を発信し、
・求職者が「自分が(会社・職場で)働いている姿」をイメージしてもらう
ことがポイントです。
ターゲットである求職者が、応募したくなる情報を
「仕事の内容」欄
「備考」欄
「特記事項」欄
を使って、
求職者目線で伝えること。
「うちの会社の・うちの職場の・うちの仕事の魅力」
つまり、
「この会社の・この職場で・この仕事」をイメージしてもらう
情報発信が求人戦略となります。
「求人票の効果的な書き方」とは、
みなさんが、商品・サービスをプロモーションする
視点・考え方となんら変わりはありません。
そして、
この視点・考え方は、
「欲しい人材の明確化」などというたぐい、
企業目線からの一方的な情報発信で、導かれるものではありません。
寧ろ、
「欲しい人材の応募の不安はどこにあるのだろう???」という視点、
求職者の応募モチベーションを刺激する情報戦略なのです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸甚です。
では、また。
※本コラムは、各メディアOA情報等取材した内容を基にして、記事として掲載させて頂いております。