「介護サービスの職業」。
有効求人倍率が示す通り、
「売り手市場」での求人戦略が必要です。
求人戦略の手がかりとなるデータ。
「介護労働者の就業実態と就業意識調査(平成24年版)」
”公益財団法人 介護労働安定センター”が調査し、
平成25年8月16日に新聞等マスコミ各社にデータ資料が公表されています。
私見ながら、
前回のコラムで、
「介護労働者の就業実態」からのアプローチで
求人戦略(効果的な求人票の書き方など)を検証・解析してみました。
2回目の今回は、就業者側のデータ。
「介護労働者の就業意識」からのアプローチを試みます。
※以下、引用データは、「介護労働者の就業実態と就業意識調査(平成24年版)」より。
1.現在の仕事を選んだ理由

このように
給与等の収入の要素よりも
・働きがいのある仕事であるか
・人・社会の役に立ちたい
が入職動機の大きなポイントとなっています。
2.取りたい資格

このように、
「介護支援専門員」への意欲が伺えます。
3.離職理由
前回のコラムでご紹介しました
「採用状況」:中途採用が85%
「離職状況」:3年未満が74%
この離職理由に関するデータがあります。

このように
① 職場の人間関係
② 施設・事業所の理念、運営の在り方への不満
が上位を占めています。
4.働く上での不満解消に「役立つ」と思う取組み
3.の離職理由に呼応する事柄ですが、
働く上での不満解消に「役立つ」と思う取組みに関するデータもあります。
いわば、
「施設・事業所の職場環境への運営で期待すること」
とも言えます。

このように
① 継続的な能力向上への配慮
② 健康面への配慮
③ 相談体制など、長期勤務への配慮
などが挙がっています。
5.データからみる求人戦略のヒント
ここまでご紹介したデータ。
そして、競合する施設・事業所がたくさんいる
「売り手市場」。
私見ながら、
たくさんの求人情報から、
求職者に選んでもらう情報発信戦略
を検証してみます。
求人広告媒体のターゲットとして
利用率が85%であるハローワークつまり、求人票
を設定して検証します。

(1)働きがいのある仕事であること(上記1.より)
ここで、大事なポイントは、
「仕事の内容=ここでの仕事は、どんな仕事」を具体的にイメージできる情報
です。
例えば、
① 担当業務は?
② どんな経験が必要?
③ 職場・部署の規模は?
などの情報がその要素となりうると考えます。
(2)求職者の期待に応えうる職場環境・体制であること(その1)(上記3.より)
離職理由で挙がる要素は、逆に考えれば、
その要素が、求職者の期待値に応えうるもの
であれば、
応募のモチベーションがUPする要素ともいえます。
例えば、
① 健康面への配慮を含む 運営体制に関する情報
② キャリアアップを含む 入職後の将来の展望がイメージできる情報
③ 施設・事業所の理念など、共感できる情報
などの情報発信が有効と考えます。
(3)求職者の期待に応えうる職場環境・体制であること(その2)(上記4.より)
働く上での不満解消に「役立つ」と思う取組みも、
逆に考えれば、既にその体制であれば、
応募のモチベーションがUPする要素といえます。
例えば、
① 資格取得支援制度などの取組みに関する情報
② 意見交換会・全体ミーティングなどの取組みに関する情報
③ 勤務体制の決定、指導・育成などの取組みに関する情報
などの情報発信が有効と考えます。
本コラム・セミナーなどで、ご紹介しています通り、
ハローワークの求人票には、
「仕事の内容」欄・「特記事項」欄・「備考」欄
併せて、900文字(400字詰め原稿用紙2.25枚分)の自由記入欄
があります。

これらを活用して、
求職者が知りたい情報を発信する
ことが、
「応募してもらう」すなわち「採用の第一歩」
と考える次第です。
【その1】と【その2】、
2回にわけて、
介護サービスの職業に特化して、
求人戦略を解析・検証を試みました。
では、また。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸甚です。
では、また。
※本コラムの内容は、各所取材の上、入手した情報を基に、
記事として掲載させて頂いております。