「年間休日総数」
「今どきは、年間休日を大手企業並みにして
アピールしないと、人が来ないと言われました...」
求人コンサルの現場では
このようなご相談に接します。
他社は・世間はどんな状況?
年間休日数の現状を確認できる
調査結果がリリースされました。
今回のコラム、
データご紹介するとともに、、
求人票の書き方・伝え方を検証します。
※以下の資料は、厚生労働省ホームページ等の
出所で公開されている資料等より引用します。
「過去最多の結果」に。年間休日総数の現状 ※厚生労働省 調査データより
今回ご紹介するデータは
令和7(2025)年「就労条件総合調査」
厚生労働省による
民間企業における就労条件の現状を
明らかにすることを目的した調査です。
今般公開されたデータのうち
「年間休日総数」については
・ 1企業平均年間休日総数:112.4日(前年調査:112.1日)
・労働者1人平均年間休日総数 116.6日(前年調査:116.4日)
報道発表資料によれば「昭和60年以降過去最多」とのことです。
この調査での「年間休日総数」とは、
企業1年間分の"休日"の合計日数。
この"休日"とは、
・就業規則・労働協約又は労働契約等において、労働義務がないと
された週休日(日曜日、土曜日などの会社指定の休日)
及び
・週休日以外の休日(国民の祝日・休日、年末年始、夏季休暇、
会社記念日などで会社の休日とされている日)をいい
年次有給休暇分や雇用調整、生産調整のための休業分は含まれません
そして、年間休日総数の「内訳」についても
以下の調査結果が報告されています。
【年間休日総数 階級別内訳(全企業)】
・69日以下:1.1%
・70~79日:1.8%
・80~89日:3.0%
・90~99日:5.2%
・100~109日:27.9%
・110~119日:21.4%
・120~129日:37.3%
・130日以上:2.0%
【企業規模別内訳】
■ 1企業平均年間休日総数
・1,000人以上:117.7日
・300~999人:116.2日
・100~299人:114.5日
・30~ 99人:111.2日
■ 年間休日総数110~119日 割合
・1,000人以上:24.0%
・300~999人:22.2%
・100~299人:22.9%
・30~ 99人:20.8%
■ 年間休日総数120~129日 割合
・1,000人以上:56.3%
・300~999人:49.7%
・100~299人:43.8%
・30~ 99人:33.3%
■ 年間休日総数130日以上 割合
・1,000人以上:1.5%
・300~999人:1.4%
・100~299人:2.1%
・30~ 99人:2.1%
"年間120日以上"の休日総数は
全体で、39.3%(37.3%+2.0%)
1,000人企業で、57.8%(56.3%+1.5%)
300~999人企業で、51.1%(49.7%+1.4%)
「110~119日」では企業規模での大差はなく
「130日以上」では100~299人・30~ 99人企業の方が割合が高い
そんな特徴がうかがえる結果となっています。
図表出典:厚生労働省 2025.12.19
令和7(2025)年就労条件総合調査
本調査の詳細は下記【出典・引用】
URLからご確認ください。
求人票の書き方・伝え方(休日と休暇 求人票の見せ方・伝え方 競争力の本質)
本コラムの冒頭にご紹介した
求人コンサル現場でのご相談
「年間休日を大手並みにしないと、
人が来ないと言われた...」
たしかに、巷の求人広告を眺めると
軒並み標題部で「年間休日〇〇〇日!」を
強調するような傾向が見てとれます。
ですが、そもそも
「年間休日の多さ」を
自社の求人の"ウリ"にして、
アピール材料の上位にもってくるのは
どんな意図や目的としているのでしょうか?
「目につきやすいから」でしょうか?
ですが、求職者は”休日が多い”に飛びついて
その求人企業に応募するのでしょうか?
私自身の転職経験や人材紹介会社でのキャリコン経験から
確実に言えることは
「そういう求職者も・そうでない求職者もいます」です。
「『年間休日〇〇〇日』で求人を出したのだけれど
なぜか、自社にミスマッチな求職者が来てしまう」
求人コンサルの現場では
過去の求人活動の状況をヒアリングしたうえで
今後の戦略・方向性、書き方・伝え方の見直しを行いますが、
このような求人活動の困りごとをお寄せ頂くこともあります。
10年来、本連先載コラム・
弊所求人票の書き方セミナーで
繰り返しお伝えしていますが
「求人とは集客。求人票は広告」です。
広告ですから、
自社がプッシュしPRのネタにしたことが
「良い」と思った読者にヒット・フックして
そのあとの行動に繋がります。
自社の求人票・求人情報の「ツカミ」に
なにをもってくるかは、その辺りの匙加減・塩梅を
慎重に・十分に検討しておかなければ、
意図しない集客効果となってしまうことは
広告のそれと同じです。
とはいえ「年間休日数」は求人で
大きなアドバンテージであることも事実です。
ですが「休日数」の定義から見えてくることは
「"休暇"は算入されない」という側面です。
最近では「推し活休暇」「孫休暇」など
法定のものを除く、
"会社の休暇制度"は自由度が高く
企業の独自性や職場づくりのコンセプト、
経営者の意思・人事の意図が
色濃く反映されるものです。
求人コンサルの現場でも
具体的な文例を示して
提案することがありますが
「年間休日数」では敵わなくても、
自社の休暇制度を適切・的確に
わかりやすく・具体的に
求人票に載せて・見せて
求職者に伝えることができれば
「職場の魅力」・「働きやすさ」を
アピールできる素材となり、
求人票の競争力強化のネタとなります。
※なにが「わかりやすく・具体的な表現」かは
みなさんにおまかせして、ここでは割愛します。
ご相談企業様とのセッションで一緒に紡ぎ出した成果物を
いかがわしい同業に文例丸ごとパクられることは
本意ではありませんので・・
求職者・自社に来てほしい人材は、
なにを・どう見せれば、
自社の求人票に振り向き
応募先として選んでくれるのか?
求人票は
・興味・関心を惹いて
・読んでもらって
・選んでもらって
ナンボの読み物=広告物です
「求職者目線」や
「求職者の知りたいこと」とは、
求人の送り手が勝手に思い込んだ
「とりあえず応募者が増えそう」や
「みんなこういうの好きでしょ」な
情報発信の視点・考え方ではありません
その本質・目的はどこにあるのかを
よくよくわきまえておくことが
求人票の印象を劇的に改善するポイントです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
【出典・引用】
【出典・引用】
厚生労働省 2025.12.19
令和7(2025)年就労条件総合調査 結果の概況
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※本連載コラムは、各所ホームページ公開情報等
取材した内容を基に、記事として掲載しています。