今回ご紹介するデータは
学校法人 産業能率大学 総合研究所が
2025年7月15日に公開した
「2025年度(第36回)新入社員の会社生活調査」
1990年度から実施され、
本年度で36回目となる本調査では
2025年度の新入社員を対象に、
就職活動の実態や仕事観、働く意欲・
キャリア志向や希望する職場環境などの
調査結果が報告されています
■年功序列と成果主義 どちらを望むか?
「年功序列的人事制度と成果主義的人事制度ではどちらを望みますか? 」
年功序列:14.6%
どちらかといえば年功序列:41.7%
「年功序列を望む」は合計で56.3%
成果主義: 6.5%
どちらかといえば成果主義:37.1%
「成果主義を望む」は合計で43.6%
これを
2006年度-2025年度の経年比較でみると
2006年度は、年功序列:34.7% 成果主義:63.3%
10年後の2016年度は、年功序列:47.1% 成果主義:52.9%
で推移
2024年度には、年功序列:48.5% 成果主義:51.5%と
「年功序列を望む」は過去最高となりましたが
2025年度はこれを更新し、初めて過半数超となったものです。
本調査では年功序列とワンセットで把握されがちな
「終身雇用」についても調査
「終身雇用を望む」は、69.4%
70%台で推移した
2009年度-2011年度・2014年度-2017年度に
次ぐ高い割合となり、ここ数年は上昇基調で推移しています。
■働く上で重要なこと
「働く上で自分にとって重要と感じること」
上位3項目は
「長期間、安心して働けること」:56.9%
「仕事内容に見合う報酬が得られること」:47.4%
「仕事を通じて自分自身が成長すること」:42.8%
となっていますが
2020年-2025年の経年でみると
2020年・2021年では6割を超えていた
「仕事を通じて自分自身が成長すること」は
2022年度には、38.1%に急減
年々割合が減少している傾向が
特徴的な結果に。
レポートでは
「年功序列」・「終身雇用」の動向と相まって
「新入社員の間で“安定志向”が強まっている」
と総括しています。
■就職先を選ぶ際に重視した点
「就職先を選ぶ際に重視した点は?」
上位3項目は
「福利厚生」:56.4%
「業種」:53.9%
「給与水準」:42.2%
2023年度と2025年度の結果を経年比較すると
割合の低下が顕著な項目は
「職務内容」36.1%⇒24.1%
「企業風土」28.5%⇒19.0%
「職種」 16.5%⇒ 9.5%
反対に、増加に転じた綱目は
「安定性」22.1%⇒26.6%
「将来性」18.0%⇒24.7%
「社会貢献」12.0%⇒17.1%
など。
企業風土よりも、企業活動の状況や事業内容への
興味・関心の高さがうかがえる結果となっています。
ここまでの図表出典:産業能率大学総合研究所 2025.07.15
2025年度(第36回)新入社員の会社生活調査
※資料・図表等は掲載許諾を得たうえで引用しています。