令和7(2025)年4月1日から施行される「一部改正」は
人材紹介を運営する「職業紹介事業者」と
求人サイトなどを運営する「募集情報等提供事業者」
を対象とするもの
1.「職業紹介事業者」の新たなルール
同じく令和7年4月1日から
「職業紹介事業者」については以下の2つのルールが適用されます。
(1)令和6年度に徴収した紹介手数料の実績を「人材サービス総合サイト」に掲載
・職種別の常用就職1件当たりの「平均手数料率」を算出
※法令等が定める計算式等で算出
・公開対象は、常用就職の実績が多い上位5職種
※、常用就職の実績が10件以下の場合は掲載不要
(2)「違約金規約」を設けている場合 適切な方法で求人者に明示
これまで義務付けされていた
・取扱職種の範囲等・手数料に関する事項・苦情の処理に関する事項
・求人者の情報や求職者の個人情報の取扱に関する事項
・返戻金制度に関する事項の明示
に加え
・違約金の額
・違約金が発生する条件及び解除方法
を含む「契約の内容」について、
「分かりやすく明瞭かつ正確に」記載した
「書面又は電子メールその他の適切な方法」により、
「あらかじめ求人者に対し」誤解が生じないよう明示
※令和7年4月1日以降に、求人者から求人の申込みがあったときから
ここまでの引用出典:厚生労働省リーフレット
紹介手数料率の実績の公開と違約金規約の明示が必要になります(職業紹介事業者の皆さまへ)
2.「募集情報等提供事業者」の新たなルール
「募集情報等提供事業者」については、
先の【連載コラム】でご紹介したように
労働者になろうとする方(求職者)に対し
金銭やギフト券等を提供することは「原則禁止」となります
これとは別に
・募集情報等提供事業の利用料金
・違約金等の額
・発生条件
・解除方法
等を含む「契約の内容」について、
「分かりやすく明瞭かつ正確に」記載した
「書面または電子メールその他の適切な方法」により、
「あらかじめ募集主に」誤解が生じないよう明示することも必要となります。
ここまでの引用出典:厚生労働省リーフレット
労働者に金銭やギフト券等を提供することは原則禁止になります(募集情報等提供事業者の皆さまへ)
【関連コラム】
【厚労省リーフレットから】民間人材サービス トラブル事例と利用の留意点
ここからは、本改正に伴い
厚労省からリリースされたリーフレット等から、
・料金や違約金をめぐるトラブル事例
・民間人材サービス利用の留意点
などをピックアップして概要をご紹介致します。
■ 料金や違約金をめぐるトラブル事例
※以下は厚労省リーフレットに紹介されている事例です
【職業紹介事業における事例】
・ある事業所で、紹介された求職者を不採用とした後
「同一法人内」の別の事業所が、そのことを知らずに当該求職者を
"直接採用"したケースで、紹介手数料の支払いを請求された事例
※採用は事業所ごとに行っているが、事業者との契約は法人名で締結しており
違約金条項に該当するかどうかが、法人単位で判断された事例
【募集情報等提供事業における事例】
・成功報酬型のサービスを利用している求人者が、人材採用後、
その利用する複数の事業者から成功報酬を請求されるケース
・当初利用した事業者との契約条項に定める利用状況により、
一定期間内に、他の事業者やハローワークを通じて、
または直接、当該労働者を採用したときに、
当初利用した当該事業者に成功報酬を支払うよう求めるケース
・採用の報告を怠った等として多額の違約金請求を受けるケース など
図表出典:厚生労働省リーフレット
・民間人材サービス(職業紹介、募集情報等提供)を利用する際の留意点
今回の一部改正の背景にもなった「トラブル事例」が掲載されています。
■ 民間人材サービス利用時の留意点・契約のチェックポイント
以上を踏まえ、各種リーフレットから、
トラブルを回避する留意点等をピックアップして
ご紹介致します。
1.「成功報酬型サービス」を利用する場合の留意点
「複数の成功報酬型サービス事業者を利用する」場合は、
以下に例示される「採用の経緯」を整理し、
資料として説明できるように準備
・どの事業者のサービスを通じて面接に至ったのか
・当該労働者と連絡や面接を行った日時や内容
・採否結果の連絡方法・日時
・事業者への成功報酬の支払日 など
2.民間人材サービス(以下「事業者」)との契約締結時の留意点(確認ポイント)
・利用料金の発生要件や契約解除の方法
・労働者を採用したときの事業者への報告有無やその期限・方法
労働者を採用したとき事業者への報告が必要かどうか?
報告期限や報告方法は?
※「数日で退職した」などのケースでの報告は?なども
・労働者との連絡方法
事業者が指定する連絡方法や制限の有無など
・情報提供を受けた労働者を他の機関経由等で採用した場合の扱い
この場合にも料金の支払いを求める定めはあるか?
その内容はどのようなものか?
・違約金について
どのような場合に違約金が発生するか?内容・金額は?
・返戻金について
採用した労働者が短期間で辞めた(早期退職)の場合に
・支払った料金の一部が返金される定めはあるか?
・対象となる期間や返戻率は?
・契約主体
当該求人事業所のみに適用される契約なのか、
法人全体に適用される契約なのか?
図表出典:厚生労働省リーフレット
・民間人材サービス(職業紹介、募集情報等提供)を利用する際の留意点
・募集情報等提供事業者(求人募集サイト、人材データベース等)が新たに遵守すべき事項
昨今の「民間人材サービス」は、
人手不足・採用難なトレンドも相俟って
提供されるサービスも料金体系も百花繚乱。
多様化・複雑化しています。
今まで以上に
自社の採用スタイルに適い、コスパ・タイパなども考慮しつつ、
望ましい成果が期待できる「自社に最適なサービス」を
的確に判断し、選択したいところです。
以上の詳細は、下記【出典・引用】
各URL掲載のコンテンツからご確認ください。