「『給料・休日を増やさないと人は来ませんよ』って、言われたですけど・・・」
「給料も休日も増やして求人出してみたんですが、さっぱりなんですけど・・・」
「『"助けてください"と書くと人が来るよ』と聞いたんですけど、本当ですか?」
数年前から、求人コンサルの現場で
たびたび頂くご質問です。
本コラムでご紹介するのは
年齢階級別「仕事につけない理由」
2023年02月14日 総務省統計局から
公表されたデータです
仕事を探しているみなさんが
何を重視しているか
今回のコラム、その概要を紹介し
求人票の書き方を検証致します
※以下の資料は、総務省等
各ホームページで公開されている資料より引用します。
年齢階級別「仕事につけない理由」(総務省統計局データから)
今回ご紹介するデータは
2023年02月14日 総務省統計局が公表した
「労働力調査(詳細集計)」
年齢階級別の「仕事につけない理由」
"2022年(令和4年)平均結果"から
その理由別にまとめてみると、
以下の結果・傾向がみえてきます。
※以下"-"表示は、当該人数が表章単位に満たないため表章せずの意
図表出典:総務省統計局 労働力調査(詳細集計)2022年(令和4年)平均結果
■「賃金・給料が希望とあわない」とする理由は
・15~24歳:3.3%
・25~34歳:9.3%
・35~44歳:8.8%
・45~54歳:11.1%
・55~64歳:6.1%
・65歳以上:-
"35歳未満"の若年層よりも
「45~54歳の年齢層」の割合が高い結果に
全体では7.2%となるこの理由を
過去5年間の推移でみると
・2018年:7.7%
・2019年:8.5%
・2020年:7.3%
・2021年:6.2%
・2022年:7.2%
大きく変動していないこともうかがえます。
■「希望する種類・内容の仕事がない」は
・15~24歳:30.0%
・25~34歳:32.6%
・35~44歳:29.4%
・45~54歳:27.8%
・55~64歳:30.3%
・65歳以上:29.4%
■「自分の技術や技能が求人要件に満たない」は
・15~24歳:6.7%
・25~34歳:9.3%
・35~44歳:5.9%
・45~54歳:5.6%
・55~64歳:3.0%
・65歳以上:5.9%
■「勤務時間・休日などが希望とあわない」は
・15~24歳:13.3%
・25~34歳:11.6%
・35~44歳:14.7%
・45~54歳:13.9%
・55~64歳:12.1%
・65歳以上:5.9%
これをさらに「男女別」の内訳でみると
【男性】
15~24歳:11.8%
25~34歳:8.3%
35~44歳:5.9%
45~54歳:4.8%
55~64歳:5.6%
65歳以上:8.3%
【女性】
15~24歳:14.3%
25~34歳:15.0%
35~44歳:26.7%
45~54歳:25.0%
55~64歳:21.4%
65歳以上:-
男性よりも女性の割合が高い結果に
女性では、"35歳未満"の若年層よりも
"35歳以上の年齢層"での割合が高い結果に
「給料よりも仕事の内容/労働条件」
どの年齢層とも「仕事内容」のミスマッチが1位に
また、
"35歳未満"の若年層では、
求人企業が期待する経験・習熟度との
ミスマッチ感もうかがえます
今回コラムでの紹介データは
仕事を探しているみなさんに関する調査結果ですが、
「令和4年版労働経済白書」第Ⅱ部 第2章 第3節
「転職者の実態」のデータを見ると
転職者も同様の傾向がうかがえる結果となっています。
令和4年版労働経済白書
「現在の勤め先を選んだ理由(男女別・年齢階級別)」に
関するコラムはこちらをご覧ください。
【関連コラム】
本コラムでご紹介したデータ、
詳しくは下記【出典・引用】各URLから
ご確認ください
【出典・引用】
総務省統計局 2023年2月14日公表
労働力調査(詳細集計) 2022年(令和4年)平均結果
▽
欲しい人材に響く! 求人票の書き方 (仕事につけない理由・求人/採用キャッチコピーの鮮度)
「給料・休日を増やさないと人は来ませんよ」
「"助けてください"と書くと人が来るよ」
本コラムの冒頭でご紹介したこれらの
「誰かから聞いた話・アドバイス」
今般ご紹介したデータなどに照らしてみると、
求人募集の決定打・成功法則・絶対法則の
類いでないこと、甚だ心もとない知見であろう
ことはおわかり頂けようかと存じます。
2012年(平成24年)以来、10年にわたって
弊所が本連載コラムや商工会議所などでの
「求人票の書き方セミナー」等の機会に
繰り返しお伝えしていることは
「求人とは、集客。」
「求人票も、広告。」
という視点・考え方
求人広告である以上、
広告の読み手が存在します。
読み手の目線/視点で
これらの理由を選択した
心理を深読みしてみると
「希望する種類・内容の仕事がない」には
「希望する仕事かどうか判断がつかない」も
含まれるであろうこと
「勤務時間・休日などが希望とあわない」には、
必ずしも「勤務時間が長い」・「休日数が少ない」な
理由だけではないこと
「自分の技術や技能が求人要件に満たない」には、
未経験者も経験者も、目にした求人情報の
「求人要件のレベル/ハードルが高すぎる」と
感じた要因も含まれるであろうこと
などは想像に難くありません。
しかし、たとえば
「希望する職種・内容の仕事」について
仕事を探しているみなさんにヒアリングして
みなさんが応募できるように自社の仕事を
カスタマイズして求人を出すことは、現実には不可能です。
ですが、仕事を探しているみなさんに
「選択肢・検討材料を求人情報で提示する」
ことは十分可能なはずです。
同じように
「勤務時間・休日が合わない」・
「自分の技術や技能が合わない」も、
仕事を探しているみなさんが目にした
求人票/求人情報からは判断がつかず、
応募を躊躇/見送っている可能性が
あることも否めないはずです。
・自社が募集している仕事の内容のリアル
・自社の労働条件・働く環境のリアル
求人票も広告です。
「仕事の内容・職種を重視」するタイプであれば、その情報を。
「働き方や労働環境を意識」するタイプであれば、その情報を。
自社が求める人材像の価値観・志向などを
イメージしてどんな求人情報を、どんな言葉・表現で伝えるかが
求人票の書き方の大切なポイントです。
求人票の書き方/求人情報の発信で大切なことは
「求人企業の一方的なロジック・思い込みで伝えること」ではなく
「読み手の目線でわかりやすく・ていねいに伝えること」です。
求人票も書き方・伝え方次第で
その印象はガラリと変わります。
みなさんの求人票は何年も前から
同じ内容のまま放置されていませんか?
みなさんは、仕事を探しているみなさんに
今、求人票で「なにを・どう」伝えたいですか?
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
※本連載コラムは、各省庁ホームページ公開情報等
取材した内容を基に、記事として掲載しています。