【連載コラム:求人票の書き方 #22-2019】
"介護人材の確保"
2019年8月9日
公益財団法人介護労働安定センターは
「平成30年度 介護労働実態調査結果」を
公表しました。
9,102事業所・労働者22,183人からの
調査結果にみる介護労働の実態には、
人材確保に関するデータも公表されています。
今回のコラム、調査結果から
求人・採用に関するデータをピックアップ、
求人票の書き方を検証します。
※以下の資料は、介護労働安定センター
ホームページで公開されている資料より引用します。
介護人材の不足感と不足理由・採用ルートと応募ルート
■介護人材の不足感と不足理由
「従業員の不足感」は67.2%
5年連続で上昇
「人手が不足している理由」は
・採用が困難である:89.1%
・離職率が高い:18.9%
と、"人材の定着よりも採用難"が鮮明な結果となっています。
また、「採用難が困難である」の理由について
・同業他社との人材獲得競争が厳しい:56.2%
・他産業に比べて、労働条件等が良くない:54.9%
・景気が良いため、介護業界へ人材が集まらない:46.1%
との結果も報告されています。
■「求人どこに出す? どこで見る?」事業所・労働者実態調査
本調査では、
・事業所側の「求人どこに出す?」:採用で利用した手段・媒体
・労働者側の「求人どこで見る?」:現在の法人に就職したきっかけ
双方のデータが報告されています。
【求人情報を出す側 事業所調査】
訪問介護員・介護職員に関する
「採用において利用した手段・媒体」の内訳は
・ハローワーク:78.0%
・知人等からの紹介:60.3%
・広告(折込チラシ等含む):46.6%
・民間の職業紹介:34.0%
が上位となっています。
【求人情報を見る側 労働者調査】
「現在の法人に就職したきっかけ」の内訳
"男女別"では、
・友人・知人からの紹介
男性:32.5% 女性:36.1%
・ハロ−ワ−ク等
男性:26.8% 女性:23.6%
が上位
有料媒体・Web媒体等の状況については、
・折込チラシ、新聞・雑誌の広告
男性:4.5% 女性:8.6%
・求人・就職情報誌、求人情報サイト
男性:6.9% 女性:6.8%
・法人又は施設・事業所のホームページ
男性:1.6% 女性:1.4%
求人情報の収集ルートとして、
2桁に満たない実態が報告されています。
また、"職種別"での傾向を見ると、介護職員における
・友人・知人からの紹介が、31.5%で他の職種に比べて低い
・ハロ−ワ−ク等が、28.4%で他の職種に比べて高い
特徴も報告されています。
【出典・引用】
介護労働安定センター 2019.08.09
—平成30年度 介護労働実態調査結果について—
▽
http://www.kaigo-center.or.jp/report/2019_chousa_01.html
欲しい人材に響く! 求人票の書き方(どこで見る? なにを見る? 求人情報の伝え方)
「求人をどこに出す?どこで見る?」
今回のコラムでご紹介した
調査結果からうかがえることは、
"採用が困難"な理由の56.2%を占めた
「同業他社との人材獲得競争が厳しい」との
課題をいかに解決するか。
そして、事業所・労働者の双方ともに、
有料媒体・Web媒体よりも、
友人・知人の紹介やハローワークを軸とした
求人・応募の実態です。
2012年(平成24年)以来、
本連載コラム・求人票セミナーなどで
お伝えしていますが、
「求人とは集客。求人票も広告。」です。
どこに出すか? よりも大切なことは、
「だれに・なにを・どう伝えるか」
求人票の内容が各事業所の求人ターゲットとなる
”就職希望者から選ばれるコンテンツ"で
あることがポイントです。
求人コンサルティングの現場でもお伝えしていますが、
求人情報の訴求力を強化する素材は、
自社ホームページや会社案内などにも眠っています。
「他社とは違う自社で働く魅力」を、
リアルで明確なメッセージで訴求することが
ポイントです。
たとえば、転職希望者が求人情報を見る視点。
私自身が、5回転職した経験があり
その転職活動からの実感でもありますが、
・前職or現在の職場と比べてどうか?
・前職or現在の専門性(経験・資格など)が活かせそうか?
・前職or現在の会社と、この会社はどこが・なにが・どう違うのか?
"自分の転職先は、どこがよさそうか?"
極めて自分ゴト・主観的な視点で、
「この求人 ありか?なしか?」を
ジャッジしていることは想像に難くありません。
読み手の主観的・相対的な選択であることは、
「求人情報でなにを伝えるかの正解は、一つではない。」と
いうことでもあります。
求人コンサルティングの現場で
仕事の内容・職場の特長・事業所の特長 などを
経営者・人事担当者のみなさまからお話しをお伺いしても、
語られる具体的な内容・表現・言葉のチョイスは百社百様です。
そのオリジナリティは、
他社求人との違いが鮮明になる情報でもあり、
求人票の読み手が興味・関心を惹く素材の種です。
よくある表現・曖昧なコピーや、
仰々しい表現・盛ったコピーで訴求するより
自社独自の具体的事実(Fact)を踏まえた
オリジナリティあふれるコピーで訴求する情報のリアリティ。
そんな、
"自社独自(= 他社との違い)"を踏まえ、
読み手の興味・関心を明確に意識し、訴求するコンテンツが、
より、読み手に響く求人情報であろうことは、想像に難くありません。
求人票も書き方次第、
求人情報も伝え方次第。
どこに出すか?よりも、
だれに・なにを・どう伝えるか?
「情報の羅列」では読み手が疲れるだけ。
一方的に大量な情報を発信・提供しても
"読み手に受け取ってもらえなければ"
何の意味もありません。
求人票でも・有料求人広告でも・採用ページでも
その伝え方の本質は、
なんら変わるところはありません。
弊社では、ハローワーク求人票のほか、
採用ページ・各種媒体のリライトなどのご相談も対応しております。
良い採用の実現に、弊社のノウハウをご活用頂ければと存じます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
※本コラムは、各メディア情報等取材した内容を基に、
コラム記事として掲載しています。