【連載コラム:求人票の書き方 #17-2019】
「中堅・中小企業の新入社員意識調査」
東京商工会議所は、
中堅・中小企業の新入社員1,100名を対象に
調査を実施、その結果を公表しました。
調査の目的は、
就活の実態や職業仕事観の把握。
その項目は「入社した会社を選んだ理由」
などにも及びます。
今回のコラムは、
この調査結果をピックアップ、
求人票の書き方を検証します。
※以下の資料は、東京商工会議所ホームページで
公開されている資料より引用します。
「入社した会社を選んだ理由」【2019年度 中堅・中小企業の新入社員意識調査より】
「入社した会社を選んだ理由」
上位3回答は
・仕事の内容がおもしろそう:42.6%
・職場の雰囲気が良かった:39.8%
・自分の能力・個性が活かせる:35.5%
・待遇(給与・福利厚生等)が良い:25.3%
・採用担当者・社員に好感が持てた:23.7%
・将来性・発展性がある:21.3%
がこれに続きます。
また本調査では、
「社会人生活を送るうえで不安に感じること」も質問
全体(複数回答 1位〜3位の累計)では、
■上位3回答
・仕事と私生活とのバランスがとれるか:51.4%
・上司・先輩・同僚とうまくやっていけるか:50.0%
・仕事が自分にあっているか:48.0%
■下位3回答
・安定して今の会社で働き続けられるか:24.5%
・やりたい仕事ができるか:21.9%
・今後も満足いく給料をもらえるか:19.5%
以上の結果が報告されています。
≪調査概要 抜粋≫
・調査対象:東京商工会議所の新入社員ビジネス基礎講座を受講した
中堅・中小企業の新入社員 1,100 名
【男性 650名(59.1%)、女性 450名(40.9%)】
・調査期間:2019年3月29日〜4月10日
・対象企業数:1,100名(回答率:100%)
【出典・引用】
東京商工会議所 2019.05.30
「2019年度中堅・中小企業の新入社員の意識調査結果について」
▽
https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1017670
欲しい人材に響く! 求人票の書き方(新卒採用 求人情報の伝え方)
■ 「会社を選んだ理由・不安に感じること」とは、つまり・・・
【入社した会社を選んだ理由】
・仕事の内容がおもしろそう
・職場の雰囲気が良い
・自分の能力・個性が活かせる
の上位項目は、つまりは、
「応募企業を選ぶために、興味・関心が高い求人情報」
【社会人生活を送るうえで不安に感じること】
・仕事と私生活とのバランスがとれるか
・上司・先輩・同僚とうまくやっていけるか
・仕事が自分にあっているか
の上位項目は、つまりは、
「不安に感じるから、前もって知りたい求人情報」
求人戦略では、各々の調査結果を
このような視点で捉え、
「うちの会社は、なにを伝えるか?」を
検討したいところです。
就活生の就職活動の情報収集と、
エントリーする・しないの意思決定基準は
「この会社は自分にとって、アリか?ナシか?」
主観・相対的な尺度で選択をしているで
あろうことは、想像に難くありません。
主観的・相対的な選択であることは、
求人情報でなにを伝えるかも
「正解は一つでない」ということです。
2012年(平成24年)以来、
本連載コラム・求人票セミナーなどで
お伝えしていますが、
「求人とは集客。求人票も広告。」です。
どこに出すか? よりも大切なことは、
「だれに・なにを・どう伝えるか」
就活生の興味・関心を意識しながら、
さまざまな要素・切り口で、
「自社で働く魅力・入社する魅力」を
的確に発信しておきたいところです。
また、この調査結果では、
「採用担当者・社員に好感が持てた(23.7%)」も
看過できない項目です。
出展した合同説明会・会社説明会の進め方次第で、
志望順位を逆転できる可能性もある意味合いでは
「なにを・どう伝えるか?」は、同じです。
求人情報だけではなくプレゼンテーションの場面でも、
その内容・構成など、就活生の興味・関心を
意識しておきたいところです。
■ 職場の雰囲気の伝え方
「アットホームな●●」
「風通しのよい●●」
就活生向け求人サイト・新卒採用ページなどで
よくみかけるフレーズです。
このフレーズ、就活生目線でみれば、
"よくみかける ありがちなフレーズ"です。
"売り手市場"とは、読み手が
競合他社の求人情報と比較ができる状況。
とすれば、
"よくみかける ありがちなフレーズ"だけで
自社の職場の雰囲気・社風を訴求してしまうことは、
なんとも勿体ないことです。
"職場の雰囲気の良さ"を伝えるフレーズとして、
「アットホームという言葉がNG」なのではありません。
「その言葉だけでは、伝わらない」ことがNGなのです。
たとえば、
「アットホーム」の前後に、それを裏付ける
具体的・客観的な事実を補足して文章を構成するだけでも、
「自社が"本当に伝えたい"アットホーム感」を表現できます。
就活生が知りたいのは、詳しくてリアルな情報。
わかりやすく・コンパクトに・的確に
情報発信しておきたいところです。
よくある表現・曖昧なコピーや、
仰々しい表現・盛ったコピーで訴求するより
自社独自の具体的事実(Fact)を踏まえた
オリジナリティあふれるコピーで訴求する情報のリアリティ。
そんな、
"自社独自(= 他社との違い)"を踏まえ、
読み手を鮮明に意識し、訴求するコンテンツが、
より、読み手に響く求人情報であろうことは、想像に難くありません。
求人票も書き方次第、
求人情報も伝え方次第。
どこに出すか?よりも、
だれに・なにを・どう伝えるか?
その伝え方の本質は、
コピーライティングのそれと、
なんら変わるところはありません。
弊社は、ハローワーク求人票のほか、
採用ページ・各種媒体のリライトなどのご相談も対応しております。
良い採用の実現に、弊社のノウハウをご活用頂ければと存じます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
※本コラムは、各メディア情報等取材した内容を基に、
コラム記事として掲載しています。