「求職者がどのような視線の動きで求人票を見ているか」
「中小企業における人材の採用と定着」(平成24年3月30日)
第Ⅰ部 人材の募集と採用—人が集まる求人—
第1章 求人情報において注目される点:アイトラッキングから
この研究では、
視線の動きを逐一記録できる装置(アイトラッキング装置)により、
求職者の閲覧における視線の動きを客観的にデータ収集しています。
収集したアイトラッキングデータは、
「ヒートマップ手法」により、
数値データを、
サーモグラフィのように、
頻度の低いものから、緑色→黄色→赤色にビジュアル化され、
科学的アプローチでその動きを分析しています。
今般、この報告書を入手しました。
シリーズでお送りする
「求人票を科学する」
第3回目の今回は、
”求人に興味あり・なし”
”在職者・求職者目線”
から、効果的な求人票の書き方を検証します。
※実験データは、
独立行政法人 労働政策研究・研修機構が、
ホームページに公開している
「労働政策研究報告書No.147(平成24年3月30日)」
より引用します。
▽
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2012/0147.html
1.検証実験のスペック。
(1)実験の目的
(2)実験参加者の属性
(3)実験イメージ
(4)実験手法
(5)「ヒートマップ手法」による実験結果の図示
2.ヒートマップによる「目線の世代間ギャップ」
(1)”在職者・求人に興味あり”の目線
(2)”在職者・求人に興味なし”の目線
(3)”求職者・求人に興味あり”の目線
(4)”求職者・求人に興味なし”の目線
(5)報告書サマリーレポートより
【興味のあった求人票】
①在職者は事業所名・仕事の内容・雇用期間・休日等などと
いった項目を見ている。
②求職者は所在地・職種・仕事の内容・休日等などといった項目を見ていた。
【興味のなかった求人票】
①在職者は主に仕事の内容を見ている。
②求職者は職種・仕事の内容を見ていた。
【興味あり・なしの比較】
興味のなかった求人票と興味のあった求人票を比較すると
興味のあった求人票は、様々な項目を見ている。
3.実験後のヒアリングデータ
(1)「在職者・求職者」・求人票の注目項目
①在職者・求職者ともに、職種に注目したという回答が最も多かった(それぞれ100%)。
②在職者は雇用形態(35%)・産業(25%)・賃金(25%)などといった項目に注目したという回答が
比較的多かった。
③求職者は就業場所(66.67%)・雇用形態(19.05%)・産業(19.05%)などといった項目に注目したと
いう回答が比較的多かった。
(2)「在職者・求職者」・「応募に前向きになれる」要因
①在職者・求職者ともに仕事の内容に興味があること、
自分に合ったものであることという回答が最も多かった(それぞれ55%、66.67%)。
②在職者では休日が土日祝日であること(20%)、雇用形態が正社員であること(15%)などといった回答が
比較的多かった。
③求職者では就業場所と自宅が通勤可能な距離であること(33.33%)、就業時間が朝から夕方までであること
(23.81%)などといった回答が比較的多かった。
(3)「在職者・求職者」・「応募を躊躇する」要因
①在職者・求職者ともに仕事の内容に興味がないこと(それぞれ50%、66.67%)といった回答が最も多かった。
②在職者では雇用形態が正社員でないこと(25%)、休日が不特定であること(20%)などといった
回答が比較的多かった。
③求職者では就業場所と自宅が遠いこと(33.33%)、就業時間が不特定であること(23.81%)などといった
回答が比較的多かった。
3.「効果的な求人票の書き方」の検証
(1)今回の傾向について
・在職者は、転職に際して今の就業形態(正社員)での転職を志向。
・就業場所については通勤時間の拘束はなるべく避けたい傾向(地元志向)。
・休日については、不規則な休日は避けたい傾向。
(2)「通勤・休日情報」について
(3)では、どこに・どんな情報を・どのように書くか???
求人票の「構造分析」をすると、
以下の3つのエリアに分類できます。
①「仕事情報」エリア
②「勤務(職場)情報」エリア
③「会社情報」エリア
ヒートマップの実験結果にあるように、
注視時間は、「仕事の内容」を中心に展開していきます。
そして、
「職場(勤務)情報」と「会社情報」
上記(2)の
「もっと詳しく記載してほしい情報」に挙がっている理由は、
残念ながら、サンプルとなった求人票では、
「職場情報」・「会社情報」が十分な情報発信がなっかた故の
ことと考えられます。
とすれば、
3つの「フリーエリア」
①「仕事の内容」欄を活用すれば、求職者がより興味を
②「備考」欄
③「特記事項」欄
持ってもらうことができるのではと考えます。
ここに、
・会社・職場・仕事の”ウリ”となる情報を発信し、
・求職者が「自分が(会社・職場で)働いている姿」をイメージしてもらう
ことがポイントです。
・求人ターゲットを絞り込み
・ターゲットが知りたい情報を
・ターゲット目線で適切な言葉で
情報発信する。
ターゲットである求職者が、応募したくなる情報を
「仕事の内容」欄
「備考」欄
「特記事項」欄
を使って、
求職者目線で伝えること。
「求人とは、集客」
「求人票も、広告。」です。
求人情報も伝え方次第。
どこに出すか?よりも、
だれに・なにを・どう伝えるか?
求人票でも・有料求人広告でも・採用ページでも
その本質は、商品・サービスを広報・PRする
視点・考え方となんら変わりはありません。
弊社では、ハローワーク求人票のほか、
採用ページ・各種媒体のリライトなどのご相談も対応しております。
よい求人・採用の実現に、弊社のノウハウをご活用頂ければと存じます。
【ご参考】
■求人票の書き方セミナー・講演実績
求人とは、集客。 欲しい人材に響く!「求人票の書き方」セミナー
Office Heart Rock 講演実績(求人票の書き方・採用面接の進め方)
求人票の書き方セミナー お客さまの声
■求人票コンサルティング・ライティング
求人とは集客、求人票も広告です。 求人票コンサルティング・ライティング
求人票コンサルティング お客さまの声・事例
■解説動画・オンライン講座
3分でわかる 欲しい人材に響く!求人票の書き方※2015.06.30
求人票の書き方 オンライン講座※2016.03.01 配信開始
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸甚です。
では、また。
※本コラムは、各ハローワークに取材に伺い、入手したリーフレットを
基にして、記事として掲載させて頂いております。