2012年以来、求人票活用ひとすじの「求人から相談できる社労士」
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大阪府社労士会 北東支部所属 Since 2012.06.15
  1. [求人ジャーナリストの連載コラム] Heart Rock Frontline NEWS
  2. 【連載コラム:求人票の書き方 】:欲しい人材に響く! 求職者から「選ばれる」求人票の書き方
  3. 中小企業の転職者採用 生成AIと対話「早期離職が出ない面接は可能か?」 [求人票の書き方 #12-2026] 
 

中小企業の転職者採用 生成AIと対話「早期離職が出ない面接は可能か?」
[求人票の書き方 #12-2026] 

2026/05/22

***早期離職のリスクと損失を避ける 求人票/採用面接の解像度(後篇)***

 

2026年4月24日に公開された

2026年版「中小企業白書」


本年度第2部のテーマは 

~「強い中小企業」に向けた「稼ぐ力」の強化~


毎年、本連載コラムで特集している

人材確保・採用以外にもタイムリーなデータが

紹介されています。

 

今回のコラムは「AI活用」

ピックアップしてお伝え致します。


※以下の資料は、経済産業省/中小企業庁ホームページ等で
公開されている資料等より引用します。

「2026年版中小企業白書」で読み解く入職者の状況(企業規模別)


今回ご紹介するデータは
2026年版「中小企業白書」第2部 第3章から

以下が報告されています。

■ 企業規模別 入職者の状況

 「企業規模別」
 職歴・学歴別 入職者状況
 白書の数字を拾ってまとめると
 以下の通りです

 【中小企業】
  ・新規学卒者(高校):7.0%
  ・新規学卒者(大学・大学院):3.3%
  ・新規学卒者(その他):2.9%
  ・新規学卒者以外:18.8%
  ・転職入職者:68.1%

 【大企業】
  ・新規学卒者(高校):7.6%
  ・新規学卒者(大学・大学院):9.5%
  ・新規学卒者(その他):4.5%
  ・新規学卒者以外:18.7%
  ・転職入職者:59.6%

※本調査の定義
 ・中小企業:常用労働者数5~299人 大企業:300人以上の企業
 ・新規学卒者以外
  入職者のうち入職前1年間に就業経験のない者であって、新卒の者以外
 ・転職入職者
  入職者のうち、入職前1年間に就業経験のある者を指す

企業の採用活動を伝える記事・コラムなどでは
高卒/大卒の「新卒採用」がクローズアップされがちですが
中小企業の入職者状況をみると、全体の僅か10%程度

採用した人材(入職者)の7割が、
就業経験のある「転職入職者」

そんな採用活動の状況/実態が
垣間見える結果となっています

図表出典:中小企業庁 2026年版「中小企業白書」
     第2部 第3章:人材確保・活用に向けた取組


詳細は下記【出典・引用】URLからご確認ください

【出典・引用】
中小企業庁 2026年版「中小企業白書」

求人票の書き方・伝え方(早期離職のリスクと損失を避ける 求人票/採用面接の解像度(後篇))


「売り手市場」と呼ばれて久しい転職市場。
転職エージェントや求人サイトが登場しては消え、
マーケットは活況を呈しています。

その中で起きているのが、
「転職先が気に入らなければ、
 無理せず辞めて次を探せばいい
という意識の拡がりです。

結果として、
求職者の“転職のハードルが下がる”一方で、
企業側にとっては「早期離職」という
悩ましい現象・課題が顕在化しています。

中小企業・小規模企業にとって、
早期離職は単なる人の入れ替わりではありません。
採用コストの損失だけでなく、
現場の負荷や職場への影響、
再採用の手間など、複合的なダメージを生みます。

採用担当者の本音としても、
「できれば早期離職は避けたい」
というのが実感ではないでしょうか。

前回のコラムは「求人票の書き方・伝え方」からアプローチしました。
今回はその後篇「採用面接の進め方」にフォーカスします。

■ このコラムの視座

ここからは、
これまでの対話の中で見えてきた
視点・知見も交えながら整理していきます。
 
単なるテクニック論ではなく、
現場感覚と検証を踏まえながら、
このテーマの輪郭も、
もう少し深く捉えていきます。

■せっかく採用したのに、なぜ早期離職してしまうのか?

早期離職の原因・きっかけは?
ともすると、
「よくわからなかったけど仕方ない……」
「そういうタイプの人だったから……」
そんな失望やあきらめで片づけてしまいがちです。

しかし、少し視点を変えてその事象を俯瞰すると

ひょっとして、早期離職する人は、
応募時点で入社前に持っていたイメージと、
実際の職場との“ズレ”から起きているのでは?

そう捉えてみると"採用面接でできること"も見えてきます。

■「定着」は能力・スキルで決まるのか?

私自身、これまで5回の転職を経験し、
数多くの採用面接を受けてきました。

振り返ってみると、採用面接での
質問は経験や能力に関することを中心に
・自己PR、職務経歴のプレゼン
・長所・短所(自分の性格分析)
・ストレス耐性(強いタイプですか?)
概ねこんな感じだったように思います。

この経験を踏まえ、
昨今の早期離職の課題を見つめ直すと
ふとこんな疑問が浮かびました。

「この応募者は、永く勤めてくれる人か?」は、
どう判断していたんだろう・・・

それは、私が受けてきたような従来の
“能力評価中心”な面接で見抜けるものなのでしょうか。
このコラムをお読みのみなさんは、どう感じますか?

■「定着できそうか?」を面接で観る新しい着眼点「適合力」

対話を重ねる中で見えてきたのが「適合力」という視座です。
似た言葉に「適応力」がありますが、少しばかりニュアンスが違います。

「適応力」は、その場に合わせていける力。
場合によっては、無理をして演じたり、表面だけ合わせたりすることにもつながります。
もしそんな状態が続けば、ある日突然、限界を超えて退職につながることもあるでしょう。

一方、「適合」は、職場や人間関係に馴染み、
違和感があっても対話しながら働き続けられる力。
つまり、適応のような「うまく合わせる力」ではなく、
「噛み合いながら働き続ける力」に近いものといえます。

採用面接にこの「適合力」という着眼点・要素を加えることで、
“定着できそうな人材”を見極めるヒントが見えてきました。

■採用面接で「適合力」を見抜く4つの視点

求人・採用での「適合力」を
「問題が起きても、人との関係を切らず、対話しながら働き続ける力」とした場合、
以下のような4つの視点と質問の切り口・観察のポイントなど
新しい面接のアイデア・ヒントが浮かび上がってきます。

視点1:それでもコミュニケーションをあきらめないか?

仕事では、意見の違いや行き違いは避けられません。
その時に、関係を切らずコミュニケーションを続けられるか。

例えば、
 「仕事で認識のズレが起きた時、どう対応しましたか?」
 「苦手なタイプの人と関わった経験はありますか?」
といった質問から、相手との向き合い方が見えてきます。

“正しい答え”よりも、
"どんな姿勢でコミュニケーションを取ってきたか"を
観察することがポイントです。

視点2:自分の理想と現実のズレ/ギャップを受け止められるか?

理想と現実のギャップはどの職場にもあります。

 「入社前後でギャップを感じた経験はありますか?」
 「想定外の業務にどう向き合いましたか?」
そんな質問から、現実との折り合いの付け方が見えてきます。

不満を抱えた時に、環境を一方的に否定するのか。
それとも、自分なりに工夫や調整を試みるのか。
そこには、応募者の“働き続ける力”が反映されるはずです。

視点3:自分の感情を抱え込みすぎないか?

職場では、ストレスや感情の揺れをゼロにはできません。

 「仕事で落ち込んだ時、どう切り替えていますか?」
 「強いストレスを感じた時、誰かに相談するタイプですか?」

感情の扱い方には、その人の働き方のクセが出ます。

抱え込みやすいのか。
言語化できるのか。
周囲と共有できるのか。

回答内容だけでなく、
“話し方”そのものも観察ポイントになります。

視点4:職場で気まずくなった関係を戻そうとできるか?

どんな職場でも、人間関係の摩擦/軋轢/衝突は起こります。

重要なのは「ぶつからない人」ではなく、
関係を修復できる人かどうかです。

例えば、
 「人間関係で気まずくなった経験はありますか?」
 「その後、どう関係を戻しましたか?」
そんな問いから、その人の関係構築力が見えてきます。

逃げる・切るだけではなく、
“戻る/戻そうとする働きかけ"ができるか。
そこは、定着に大きく関わる部分かもしれません。

■実は面接は「評価」の前に「観察」ではないのか?

採用面接というと、
「評価する場」というイメージが強いかもしれません。

しかし本来、評価や判断は、
“理解の素材を集めた後”に
行うものではないでしょうか。

応募者がこれまで、
・どんな働き方をしてきたのか
・どんな場面で悩み、どう行動してきたのか
・うちの会社で、どんな働き方をしてくれそうか

それを、面接の質問/応答を通して理解していく。
採用面接は、そんな「人間観察」の場でもあります。

ここでいう「観察」は”応募者のアラ探し”ではありません。

質問を通して、目の前の応募者の
“人となり”にフォーカスし
解像度を上げていくことです。

「キャリア」という言葉には
「轍(わだち)」という意味があります。

目の前の応募者が、
どんな道を歩み・日常で何を感じ・どう行動してきたのか。

その“轍”を探ることは、
その人の価値観や働き方を理解することにもつながります。


働くということは、多かれ少なかれ
人と関わり続けること。

だからこそ、
・行き違い
・感情の揺れ
・理想と現実のズレ
・人間関係の摩擦
は、どんな職場でも起こります。

その時に、すぐ関係を切ってしまうのか。
それとも、対話や調整をあきらめず、
粘り強く関わりを続けようとするのか。

その違いが
「定着できる人」・「永く働ける人」に
つながっているのかもしれません。

面接ではその解像度を上げた上で、
 ・自社の職場に馴染めそうか
 ・自社のメンバーとうまく噛み合いそうか
 ・一緒に仕事ができそうか
などを自社の基準で判断していけば
よいのではないでしょうか。

■「結局、求人も面接も"解像度”次第なんだ」という結論

私は「求人票の書き方・採用面接セミナー」の
結びに「面接は、聴いてみなければ、わからない」
とお伝えしています。

これは、
人材紹介会社のキャリアコンサルタントや
企業の採用担当者として
転職希望者や応募者と面接をしてきた中で
体験してきた実感でもあります。

実はこれ、前篇でお伝えした、
「伝えなければ、伝わらない」
という求人票の書き方に対する視座と、
一対をなすものです。

2026年の「求人票の書き方セミナー」では、
“求人票の解像度”をテーマの一つとして扱いますが
それは採用面接でも同じです。

採用面接は、能力評価だけの場ではありません。

質問を通して、目の前の応募者の
「“人となり”の解像度」を上げる場でもあります。

そして、その解像度が上がるほど、
「この人は自社に噛み合いそうか?」
の判断精度も高まります。


早期離職のリスクを減らすことは、
結果として、中小企業の採用ストレスや
採用コストの削減にもつながるはずです。

ちなみに、今回ご紹介した質問例は、
あえて“余白”を設けています。

そのまま使うテンプレではなく、
みなさまの会社の社風や職場環境に合わせた
アレンジやカスタマイズをご検討ください。

【ご参考】
商工会議所様など登壇実績180回超
弊所「求人票の書き方セミナー」

2026年版のメインテーマは
「求人票の解像度」と「生成AIの活用」です。
 
全国の商工会議所・商工会セミナーご担当のみなさま
2026年版セミナーコンテンツにご興味・ご関心があれば
下記【講演実績】などもご確認のうえ、
お問い合わせ・お声がけ等を頂ければと存じます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。

※本連載コラムは、各所ホームページ公開情報等
取材した内容を基に、記事として掲載しています。


※本コラムについて
本ホームページのコラム・コンテンツは、
求人・採用にお困りの方に向け、
現場での対話や観察から得た視点・知見をもとに公開しています。

うわべの表現や言葉を模倣・盗用することはできても、
その背景にある現場感覚や本質的な知見までは、
そう簡単には複製できないことを申し添えておきます。


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