ご紹介するデータは
「2025年版中小企業白書」
今回のコラムでは
以下のデータをピックアップします。
■ 最も重視する経営課題(企業規模別)
中小企業・小規模事業者が最も重視する経営課題
「中規模企業」「小規模事業者」とも
「人材確保」と回答する割合が最も高く
・中規模企業:22.3%
・小規模事業者:23.0%
また「事業承継(後継者不在を含む)」についても
・中規模企業:14.1%
・小規模事業者:15.7%
白書での分析コメントの通り
企業規模にかかわらず
「人材採用・確保」が経営の重要課題で
あることが見てとれます。
■ 不足している職種(企業規模別)
では、実際にどんな人材が不足し確保の必要があるのか?
白書の第2部 第4章では以下のデータが掲載されています。
【現業職】
・中規模企業:85.7%
・小規模事業者:88.6%
【管理職】
・中規模企業:85.7%
・小規模事業者:88.6%
【事務職】
・中規模企業:25.0%
・小規模事業者:17.9%
「中規模企業」、「小規模事業者」とも、
製造作業者・販売従業者・サービス職業従業者・
運輸従業者・建設作業者といった現場作業に従事している
「現業職」が圧倒的に不足している状況が見てとれます。
また、新卒採用から「人材確保難」と
言われて久しい【研究職】については
・中規模企業:8.5%
・小規模事業者:3.7%
となっているのも特徴的な結果となっています。
※1.ここでの「現業職」とは、
製造作業者・販売従業者・サービス職業従業者・運輸従業者・建設作業者など
主として生産、販売、運輸・通信、保守、サービス等の業務に「直接従事する」職種
※2.「事務職」とは、経理・営業・人事等の部門における従事者
※3,中小企業とは、中小企業基本法第2条第1項の規定に基づく「中小企業者」をいう。
小規模事業者とは、同法同条第5項の規定に基づく「小規模企業者」をいう。
中規模企業とは「小規模企業者」以外の「中小企業者」をいう。
(中小企業白書「凡例」より引用)
■ 倒産件数の推移(内訳)
倒産件数の推移を従業員規模別にみると
「~4人」企業が大半。
これを要因別「人手不足」にフォーカスしてみると
2022年以降に増加に転じ、2024年は急増
その「内訳」について2023年・2024年の推移をみると
・人件費高騰:59件⇒104件
・従業員退職:42件⇒71件
・求人難:58件⇒114件
「求人難」が「人件費高騰」を上回る。
そんな特徴がうかがえる結果となっています。
「人手不足が最重要な経家課題」
▽
「各社とも"現業職"が不足」
▽
「採用難で倒産する企業が急増」
様々な経営課題があっても
結局「必要な人材」が確保できないと
社業・事業の継続そのものに深刻な影響を及ぼす
そんな"経営環境の負のスパイラル"をも
うかがえるような結果が報告されています。
※図表出典:2025年版「中小企業白書」
・第1部 令和6年度(2024年度)の中小企業の動向
・第2部 新たな時代に挑む中小企業の経営力と成長戦略
「2025年版中小企業白書」の詳細は、
下記【出典・引用】URLからご確認ください