「2024年版中小企業白書・小規模企業白書が閣議決定されました」
経済産業省は、2024年5月10日 ニュースリリース
中小企業庁は、ホームページにその全容を公開しました。
本連載コラムでは毎年、本白書から
企業の求人・採用活動に参考となるデータを
紹介していますが
本年度の白書でも
「人材不足・人材確保」に関する興味深い
データがさまざまな切り口で報告されています。
本連載コラム、本年も最新版の
中小企業白書・小規模企業白書から
「求人・採用」に気になるデータを
ピックアップしてご紹介致します。
※以下の資料は、中小企業庁等
ホームページで公開されている資料等より引用します。
[2024年版中小企業白書より] 中小企業の経営課題/業種別人手不足の現状・内訳
今般ご紹介するデータは
2024年版「中小企業白書」
第2部 環境変化に対応する中小企業
第1章:人への投資と省力化 から
人手不足と経営課題について以下が
報告されています
■ 中小企業の経営課題
「最も優先度が高い経営課題」では
・人材の確保:46.6%
・人材の育成:13.1%
・財務・資金繰りの改善:7.5%
・資金の確保:7.3%
・業務の効率化:6.8%
「次点で優先度が高い経営改題」では
・人材の育成:34.6%
・人材の確保:16.3%
・業務の効率化:14.8%
・資金の確保:6.7%
・財務・資金繰りの改善:6.6%
「人材の確保・育成」に関する
優先度の高さがうかがえる結果が報告されています。
白書では、この「人材の確保」に
関連する「人材の不足状況」に関し
「中核人材」・「業務人材」の
2つの人材像に区分し「業種別」状況の
データを公開しています。
「中核人材」については
・建設業:82.3%
・宿泊業、飲食サービス業:79.2%
・情報通信業:79.1%
などの業種で割合が高く
「業務人材」については
・建設業:77.4%
・宿泊業、飲食サービス業:77.0%
・運輸業:72.0%
などの業種で割合が高い結果に
また、白書では
「中核人材」と「業務人材」の
不足感のギャップにも注目
"10%以上の差"がある
・卸売業
・製造業
・情報通信業
の3業種については、
中核人材の不足感が特に大きいと
指摘するとともに
「業種によって、求める人材の質に
違いが生じている可能性がある」
とコメントしています。
※「中小企業・小規模事業者人材活用ガイドライン」による定義
中核人材:
・事業上の様々な業務において中核を担う人材
・高度な専門性を有する人材
業務人材:
・事業運営において、各部門/業務の遂行を担う人材
・専門性や技術レベルは高くないが、事業の運営に不可欠たる労働力を提供する人材
以上 2024年版中小企業白書 注釈より引用
ここまでの図表出典:
中小企業庁 2024年版「中小企業白書」第2部 第1章:人への投資と省力化
【出典・引用】
経済産業省 2024.05.10
2024年版中小企業白書・小規模企業白書が閣議決定されました
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中小企業庁 2024.05.10 中小企業白書
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中小企業庁 2024.05.10 小規模企業白書
▽
欲しい人材に響く! 求人票の書き方 (「求める人材像」その定義と求人情報)
今回ご紹介した
中核人材と業務人材の不足感は、
各業種の求人企業が「求める人材像」に
リンクしています。
・自社で「中核をなす業務」とは
・自社が求める「高度な専門性」とは
・具体的に担当する業務の内容は
・期待する役割やミッションは
・専門性を担保するスキル・経験は
「人材像の明確化」とは
・やる気がある人
・積極的に仕事に取り組める人
・協調性がある人
といった抽象的な「〇〇な人」ではなく、
自社の募集職種の職務を遂行ができる人材像に
掘り下げて検討しておきたいところです。
そして、本連載コラム・求人票の書き方セミナーなどで
10年来お伝えしていますが
「求人とは集客。求人票も広告。」です。
求人サイトやハローワークにあふれている
膨大な数の求人情報/求人票から自社の求人に
・興味・関心を持ってもらい
・選んでもらい
・応募してもらう
そのために、どんな情報を発信することが
適切・的確かを検討することは
広告のそれと本質は同じです。
例えば、具体的な仕事内容が薄く
「やりがいのある仕事です」だけな
求人票では、働くイメージはつかないですし
逆に、
複数行にわたる冗長な文章が
くどくどと埋めつくされた
「(自称)詳しい求人票」では、
そもそも求職者の興味・関心の
入口である「読みたい」気持ちと
なるかは甚だ疑問です。
求人票も広告
先ずは、手にとってもらって、
読んでもらってこそのものです。
求職者にスルーされては、
求人票にいくらお金をかけても
応募には繋がりません。
みなさんは、人材採用・確保のために
求人票で"だれに・なにを・どう"伝えたいですか?
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
※本連載コラムは、各所ホームページ公開情報等
取材した内容を基に、記事として掲載しています。