「やりがいのあるお仕事です」
売り手市場といわれて久しい昨今
求人サイト・メディアでよくみる
求人情報・求人票の常套句です
しかし、その「やりがい」
求職者自身は、どう感じているのでしょうか
2023年10月20日 厚生労働省から
興味深いデータが公表されました
今回のコラム、その概要を紹介し
求人票の書き方を検証致します
※以下の資料は、厚生労働省等
各ホームページで公開されている資料より引用します。
仕事の「やりがい」・「"働く"に大切なこと」就業価値観の変遷
今回ご紹介するデータは
2023年10月20日 厚生労働省が公表した
「新しい時代の働き方に関する研究会」の資料
「仕事のやりがい」・「就業価値観」に関する
以下のデータが公表されています。
■ 「仕事のやりがい」を感じる要因
「具体的にどのようなことに『仕事のやりがい』を感じるのか」(※複数回答)
上位は
・努力や成果が収入に反映されること
・お礼や感謝の言葉をもらうこと
・仕事の成果を認められること(昇進や昇給を含む)
・興味のある仕事をすること
・仕事で社会に貢献する実感を持てること
・自分で決める裁量権があること
がこれに続いています。
■ 就労者が感じる「就労価値観」の推移
2000年から20年間の推移を俯瞰すると ※( )内は200年⇒2021年の回答割合
・「会社や仕事のことより、自分や家庭のことを優先したい」:増加(66%⇒79%)
・「自分の仕事の目的は会社を発展させることである」:低下(58%⇒49%)
・「資格を取得したりして能力の向上に積極的に努めたい」:一時期増加も同水準(67%⇒65%)
・「たとえ収入が少なくなっても勤務時間が短いほうがよい」:上昇(38%⇒46%)
会社への貢献よりも、
自分自身のワークライフバランス・キャリアへの
関心の高さが特徴的な結果に
そして
「将来にわたって就業を継続しない」選択肢
・「本業以外の仕事も持ちたい」:上昇(32%⇒41%)
・「できれば自分で独立して事業をおこしたい」:低下(39%⇒28%)
や、2021年時点で「現在の業務に満足している」が70%であることも
注目に値する結果となっています。
以上、図表出典:厚生労働省 新しい時代の働き方に関する研究会 参考資料
詳細は、下記【出典・引用】URLからご確認ください
【出典・引用】
厚生労働省 2023.10.20
「新しい時代の働き方に関する研究会」の報告書を公表します
▽
欲しい人材に響く! 求人票の書き方 (「やりがいのある仕事」書き方・伝え方の視点)
データでご紹介した通り、
就業者が感じる
「仕事のやりがい」や「就業の価値観」は
以前にも増して多様なものです。
求職者の価値観の多様性は、
消費者のそれと同じこと
ここで10年来、お伝えし続けていますが
「求人票も広告」です。
消費者が広告に求めるものがあるように
求職者が求人票に求めていることは
「自分は、この会社のこの仕事に
応募/エントリーしてよいか?大丈夫か?」
を判断し・納得して応募できる裏付けとなる情報です
そんな視点で仕事選びをしている求職者に向け、
単に「やりがいのあるお仕事です!」と
抽象的な"やりがい"だけを声高にアピールしても
それは、
「私からもオススメです!」
「みんなが使ってます!」
としか、アピールしていない広告と同じこと
広告の読み手の立場からすれば、
"それだけ"では「応募したい!(欲しい!)」と
ならないことは、おわかり頂けることかと存じます。
仕事の"やりがい"とは、
求人企業の論理で押し付けるものではなく、
求職者一人ひとりの感性・価値観で感じるものです。
・自社の求める人材(=求人ターゲット)が
その仕事に"やりがい"を感じであろう情報を
"わかりやすく・ていねい"に伝えて
▽
・求人票の読者である求職者が
求人票の内容に興味・関心を持って
"やる気・その気"になって
▽
・「話だけでも聴いてみよう」
「面接を受けてみよう」
「社長に会ってみよう」
という"応募行動"につながる
そのロジックは、
広告の役割と消費者の購買行動のそれと
なんら変わるところはないはずです。
そして、
2021年の就業価値観で7割を占める
「現在の業務に満足している」は、
見方を変えれば
「入社後の仕事にやりがいを感じて職場に定着できている」
状態と解釈することができます
・「仕事のやりがい」をイメージできる情報を
・「自分の価値観とマッチした職場」をイメージできる情報
・「自社が考えるやりがい」をイメージできる情報
今回のコラムでピックアップした
仕事のやりがい・就業価値観は、
「自社従業員」が感じているやりがい・価値観の傾向や
求人戦略でいう「求める人材像」とも密接にリンクしているはずです。
求人応募から面接・入社時のミスマッチは「早期離職」の大きな要因です。
そのリスクヘッジの観点からも、求職者が求人票を読んで
「自分がこの会社で働くこと」を"自分事としてイメージしてもらえる"
そんな情報をわかりやすく・ていねいに
しっかりと求職者に伝えておきたいところです。
求人票も書き方・伝え方次第で
その印象はガラリと変わります。
みなさんの求人票は、
「うちの仕事のやりがい」を
しっかりと伝え・伝わっていますか?
一度、じっくり・しっかりとご検討ください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
※本連載コラムは、各所ホームページ公開情報等
取材した内容を基に、記事として掲載しています。