供給と需要のバランスで成り立つ転職市場
転職者比率が上昇するということは
転職者と求人企業のマッチング精度が向上すること
そのために考えられることは
・供給側:求人企業の目に適う"ハイスペック転職者"の増加
「良質な母集団形成」
・需要側:求人企業が転職者に要求する"人材要件"の見直し
「求める人材像・スペックの見直し」
など
求人を出す企業からみれば、
「良質な母集団形成」は、いわば"他力本願"
自社でコントロールできない事情
求人企業は「求める人材像・スペックの見直し」のほか
賃金変動状況の推移に鑑み「高めの賃金(給料)額を設定して募集」
といった戦略も考えることができます。
では
「賃金(給料)をいくらに設定すれば、
応募が増えるか?いい人材が採用できるか?」
募集賃金(給料)の設定・見直しは、
採用に限った話にとどまらず、
全社的な賃金体系・人件費の見直しにも
直結するシビアな経営課題です
求人コンサルティングの現場でも
「求人広告の営業担当から
『イマドキは、給料を上げないと人は来ませんよ』
と言われたんですが・・・」
などのご相談・ご質問を受けることがありますが
正直申し上げて、
この正解となる数字なぞあるはずがありません。
そもそも、転職希望者は生活者ですから、
仕事スペック・スキル・キャリアが似ていても、
その生活背景・抱える事情はさまざまなはず・・・
さすれば、転職活動で、
その個々人が仕事で稼ぎたい収入額(賃金)の相場も
その個々人の事情で変わることは想像に難くないはずです。
とすれば、
「高い賃金(給料)で応募者を増やす」は、
決定打ではないことや
「これだけ出せば人が来る」は、
ある意味"幻想"であろうことも
おわかり頂けようかと存じます。
また賃金だけでなく、転職希望者が
"キャリアアップ"を目指す転職か?
"キャリアチェンジ"を目指す転職か?
そんな事情でも「転職で求めるもの」は、
変わってくるはずです。
このように、さまざまな思惑・価値観・野心を持って、
転職市場に出てくることが想像できる転職希望者ですが
・「自分にとって、良い転職・ベストな選択をしたい」
・「今よりいい会社・職場で、自分がやりたい仕事をしたい」
そんな視点で、たくさんの求人票を見て、
「転職先の選定=求人に応募する・しないの判断」を
していることだけは、同じであると言えます。
転職活動で求人票・求人情報を目にする
転職希望者の視点・心理に立ってみれば、
賃金額・求める人材像(スペック・経験含む)は、
判断要素のひとつですがそれだけではないはずです
・この会社の具体的な仕事内容は?
・この会社の事業内容は?特長は?
・この会社の職場はどんな雰囲気?
2012年6月から10年来
「ハローワーク求人票の活用」をテーマに
商工会議所各所様での
「求人票の書き方セミナー」や「専門家派遣」の
機会でも、みなさまにお伝えしてきたことは、
「求人とは、集客。
求人票も、広告。」という考え方です。
まずは、みなさんの会社の求人票で
「自社に転職する・仕事をする魅力・メリット」など、
仕事・職場・会社のなにかに興味・関心を持ってもらうこと
「求人票のなにかにフック」してもらわないいことには、
みなさんの求人票は「その他大勢」に埋もれるだけ。
その先の「応募」には繋がりません。
「求人票も広告」ですから、
だれをターゲットに、なにを・どんな言葉で伝えるかを
意識して書くことで読み手である転職者が受ける印象はガラリと変わり、
その変化は、応募行動の変化(反響)にも反映します。