「人手不足の状況」
日本商工会議所・東京商工会議所は
2021年7月から8月に全国の中小企業を対象に
・人手不足の状況、
・コロナ収束を見据えて推進すべき働き方
・女性の活躍推進等
・外国人材の受入れ
などの調査を実施
2021年9月30日、その結果を公表しました。
今回のコラム、
調査結果の概要をピックアップ
求人票の書き方も検証します。
※以下の資料は、日本商工会議所・内閣府ホームページ等で
公開されている資料より引用します。
人手不足の現状(日本・東京商工会議所「多様な人材の活躍に関する調査」調査結果より)
今回ご紹介するデータは
日本商工会議所/東京商工会議所が
全国47都道府県 中小企業 6,007社を
対象にした各地商工会議所職員による調査
調査期間は、2021年7月26日〜8月17日
「人手不足の状況」について以下の結果が
公表されています。
■ 全体集計の状況
「全体集計」で「人手が不足している」と回答した企業は 49.9%
前年調査 2020年7月〜8月の36.4%から大きく増加
前回調査 2021年2月の44.4%からも、その不足感は増加
近年のピーク 2019年の66.4%には及びませんが
約半数の企業が「人手不足」と回答しています。
■ 業種別集計/従業員規模別集計の状況
これを「業種別集計」でみると
「建設業」:65.4%
「運輸業」:63.0%
「介護・看護業」:62.7%
が上位に
「従業員規模別」では
301人以上 :52.8%
101〜300人:53.3%
51〜100人:53.0%
21〜 50人:50.6%
・・・・・・
5人以下 :39.0%
など
従業員規模での人手不足感にも
特徴と傾向がうかがえる結果が
報告されています。
■ 今後3年程度にわたる採用数
また、
「今後3年程度にわたる採用数」については
「人数を増やす」と回答した企業の割合が高いのは
・「若年者」:66.3%
・「女性」:40.7%
が上位に
集計区分の人材は、軒並み前年調査から「人数を増やす」の割合を増やしていますが、
特に「女性」のレイヤーは大きな伸びを示しています(前年から9.7ポイント増)
※ここまでの図表出典:日本・東京商工会議所 2021.09.30
「多様な人材の活躍に関する調査」調査結果
詳しくは【出典・引用】URLでご確認ください。
欲しい人材に響く! 求人票の書き方 ( 2013年/2020年比較 「非正規で働く理由」選択動機の変化 )
上記でご紹介した
「今後3年程度の採用数の見通し」
採用数増加のポイントが大きく上昇していた
「女性」に関して興味深いデータが
内閣府から公表されています。
出典は2021年9月24日に公開した
「令和3年度 年次経済財政報告」(経済財政白書)
「第3章 雇用をめぐる変化と課題」では
"非正規雇用についている理由"について、
2013年と2020年の2時点を比較対象、
以下の結果が報告されています。
■ 女性(15〜64歳)の推移
・「自分の都合のよい時間に働きたい」が増加、最も高い割合に
・「家事・育児・介護等と両立しやすい」も増加
・「正規の職員・従業員の仕事がない」は減少
・「家計の補助・学費等を得たい」も減少
この7年での「選択動機の変化」がうかがえます。
※図表出典:令和3年版 年次経済財政報告 第3章 雇用をめぐる変化と課題
2012年(平成24年)以来、弊所が
本連載コラムや商工会議所などでの
「求人票の書き方セミナー」で
繰り返しお伝えしていることは
「求人とは、集客。」
「求人票も、広告。」
という視点・考え方
広告である以上、
自社が想定する顧客=読み手(ターゲット)が存在します。
求人の自社が想定する顧客とは「自社が欲しい人材」
想定した読み手の興味・関心にフックしない広告は
いくら大々的なお金をかけても効果のない広告
「自社求人への応募を増やす求人票の書き方」とは
「読み手の興味・関心に応える求人票の書き方」と同義
今回のデータでご紹介した「選択動機の変化」は、
「ターゲットの仕事選びの興味・関心の変化」です。
その変化は、従来から
"パートタイマー求人で応募者を増やす事例"
として、まことしやかに紹介されていた
「正社員登用制度があります」
「短時間でしっかり稼げます」
などの"求人コピーとしての賞味期限"を
提示しているとも受け取れます。
そして、広告コピーがそうであるように、
求人票でも読み手(ターゲット)の興味・関心にフックする
フレーズ・コピーはその時代の空気感などの要素でうつろいます。
今般の白書で増加傾向が顕著となった
「自分の都合のよい時間に働きたいから」については、
ステレオタイプな・画一的な"都合のよい時間"がある訳ではなく、
求人ターゲットの年齢・ライフスタイル・生活パターンによって
"都合のよい時間"が異なるであろうことは想像に難くありません。
同様に「家事・育児・介護等と両立しやすいから」についても
両立できる勤務条件・職場環境の判断基準は、求人票の読み手が主体
「両立しやすい職場です」の曖昧なワンフレーズで
求人票の読み手に自社で働く魅力が的確に伝わっているかは、
今一度、検討が必要です。
「都合のよい時間に働きたい求職者」に
自社求人を訴求するのであれば、
勤務時間に関連する具体的な情報を。
「両立しやすい職場で働きたい求職者」に
自社求人を訴求するのであれば、
職場・就業に関連する具体的な情報を。
仕事を探している人(求職者)は
「いまの時代」を生き、
「いまの時代」に仕事選びをしています
ワークスタイルやライフスタイル、
キャリア志向の変化をはじめ
仕事選び・会社選びの価値観や優先順位
求人情報への興味・関心のポイントが
時代時代で移ろうであろうこと
そして、そこに
「こう書けば応募が増える」といった
絶対法則など存在しないこともまた、
想像に難くありません。
広告コピーの世界がそうであるように
求人コピーの世界もまた、
時代の空気感を的確にキャッチアップした
求人情報のチョイスや言葉選びが
「求人票の書き方」で大切なポイントです
求人票も書き方次第
求人情報も伝え方次第
「自社で働く魅力」
みなさんは求人票で
「なにを・どう」伝えたいですか?
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
【出典・引用】
日本商工会議所ホームページ 日商ニュース 2021.09.30
「多様な人材の活躍に関する調査」の集計結果について
▽
https://www.jcci.or.jp/news/jcci-news/2021/0930140000.html
令和3年度年次経済財政報告
−レジリエントな日本経済へ:強さと柔軟性を持つ経済社会に向けた変革の加速−(令和3年9月24日)
令和3年度「経済財政白書」
▽
https://www5.cao.go.jp/keizai3/whitepaper.html
全体版
▽
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2021/0924wp-keizai/setsumei00.pdf
全文
▽
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je21/index_pdf.html
※本連載コラムは、各省庁ホームページ公開情報等
取材した内容を基に、記事として掲載しています。