「新型コロナウイルス感染症が雇用・労働に及ぼした影響」
2021年7月16日 厚生労働省が公表した
「令和3年版 労働経済白書」の分析テーマです
令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響に鑑み
作成が見送られた労働経済白書
令和3年版は2019年と2020年の2年間を対象に
雇用・失業情勢の動向や求人・求職の動向など
労働経済に関するさまざまな分析を行っています。
今回のコラム、
非正規雇用労働者の推移・動向をピックアップ
求人票の書き方も検証します。
※以下の資料は、厚生労働省ホームページで
公開されている資料より引用します。
「令和3年版 労働経済白書」より 労働者不足と正規雇用への転換/非正規雇用を選択する理由
今回ご紹介するデータは
令和3年版 労働経済の分析(労働経済白書)
「第Ⅰ部 第2章 第2節 就業者・雇用者の動向」が出典
以下の推移・動向が報告されています。
■ 正規雇用への転換に関する状況
「正社員等とパートタイムの過不足感」
白書では、2007年からの労働者過不足判断D.I. の推移を掲載
2020年においても正社員等がパートタイムと比べ不足感が強い傾向とともに
産業別の「過去1年間の労働者不足への対応の実施状況」も掲載しています。
2020年8月時点の実施状況を"事業所の割合"でみると
「宿泊業,飲食サービス業」・
「生活関連サービス業,娯楽業」を除く各産業で
「正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加」が
「臨時、パートタイムの増加」を上回る結果に
特に「建設業」・「情報通信業」で、
その傾向が顕著なデータが報告されています。
※図表出典:令和3年版 労働経済の分析 第2章 第1-(2)-7図
■ 非正規雇用 選択理由別労働者数の推移
「非正規雇用労働者として働いている者は、
どのような理由でその働き方を選択しているか」
白書では、2014年から2019年にかけて
・「不本意非正規雇用労働者」が減少
・「個人の都合に合わせて非正規雇用を選択する者」が増加傾向
にあったと分析
2020年の動向については、その「個人の都合」について
・男女ともに「自分の都合のよい時間に働きたいから」が減少
・女性では「家事・育児・介護等と両立しやすいから」が大幅に減少
一方で
・「専門的な技能等をいかせるから」・「家計の補助・学費等を得たいから」
といった理由が増加
と分析しています。
※図表出典:令和3年版 労働経済の分析 第2章 第1-(2)-9図
詳細は、下記URLからご確認ください
【出典・引用】
厚生労働省 報道発表 2021.07.16
「令和3年版 労働経済の分析」を公表します
▽
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19846.html
【本文】令和3年版 労働経済の分析
▽
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/20/20-1.html
欲しい人材に響く! 求人票の書き方( 「非正規雇用を選択する理由」のトレンドと求人票の書き方 )
令和3年版 労働経済白書でみえてきた
「非正規雇用を選択する理由」のトレンド
増加した「専門的な技能等をいかせるから」の理由
・「自分の技能がいかせるか」の判断
・「専門的な技能等」のレベル感
などは、あくまで読み手である求職者の主観的判断
求人に関するWebコンテンツでは
「仕事内容は注目ポイントですから詳しく書きましょう」な
"書き方ノウハウ"をみかけますが
「詳しい仕事内容」とは
"文字量が多い・情報量が多い"と
イコールではありません。
「詳しい」の本質は、
その情報を受け取った読み手の印象
いくら情報量が多くても、読み手である
求職者のニーズ・ウォンツに外れた内容であったり、
応募の不安・疑問を解消する内容でなければ
早晩スルーされることは広告コンテンツのそれと同じです。
「なにを・どんな言葉で・どう伝えれば」
読み手に自社の仕事内容・専門性を
理解してもらえるかを意識しておきたいところです。
次に、専門的技能職の求人票でよくあるのは
典型的な「経験〇年以上」などの
"求めるスペック"に関するコピー
その"求めるスペック"の要件は
求人企業によって千差万別、
多様な打ち出し方があります。
私もIT系・介護・福祉系業界での
求人コンサルの現場でも経験がありますが
専門的な技能職の募集では、
「"経験が長い人"の採用は避けたい」な
ご意向のクライアント様もおられます。
その際にご提案したのは
「経験〇年未満の方歓迎」など
逆張りな求人コピーなどのアイデア
お決まりの「経験年数〇年以上」なコピーが並ぶ
同職種の求人票のなかでのインパクト・効果を想像すると
・専門的な技能を身につけキャリアチェンジの機会を探っている求職者
・経験年数の壁で、応募しても面接をことごとく蹴られた求職者
そんなご事情のみなさんには"刺さるコピー"となり得るはずです。
ほかには
「(業務に必要な資格名)+経験年数不問」などの
求人コピーも考えられますが、
ご留意頂きたいのは、
「経験不問」と「経験年数不問」とでは、
そのニュアンスが異なること。
求人票も書き方次第
求人情報も伝え方次第
文脈の中で上手くハンドリングしてください。
そして
「家事・育児・介護等と両立しやすいから」な
理由が大幅に減少した傾向は、
そのまま
・「〇〇と両立できるお仕事です」
・「〇〇と両立できる職場環境です」
・「〇〇の両立を応援している会社です」
などを"自社求人のウリ"にした求人コピーの
賞味期限にも関わるトレンドといえます。
2012年(平成24年)以来、
本連載コラムや商工会議所などでの
「求人票の書き方セミナー」で
繰り返しお伝えしていることは
「求人とは、集客。」
「求人票も、広告。」
という視点・考え方
広告である以上、
想定する読み手(ターゲット)が存在します。
そして、広告のコピーがそうであるように、
求人票でも読み手(ターゲット)の興味・関心に
フックするフレーズはその時代の空気感などの要素でうつろいます。
大切なことは、
時代・時流に合った鮮度のよい自社の求人ネタを、
どれだけ仕入れて・どう伝えているか? です。
求人票も時流に合わせたアップデートが必要です。
まずは、
「今伝えたい仕事・職場・会社の魅力になるネタ」を
集めてみてください。
いままでの求人票に書いたことがなかったような、
新鮮なネタがみつかるやもしれません。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考となれば幸いです。