「35歳転職限界説」
私自身の転職経験なのですが、
バブルが崩壊の余波で最初の転職をした年齢は37歳。
以降、複数の会社を人事屋・キャリコンとして、
渡り歩いたのですが、転職活動は、この仮説の時代の
真っ只中。「年齢が・・・」の一言で、苦戦を強いられました。
2014年04月07日東洋経済オンライン配信記事。
私自身の転職の経験則と関心から、
”転職大ブーム! 崩れる「35歳転職限界説」”のフレーズが気になり、
記事を読み進めると、最近トレンドが変わってきているとの
こと。
今回は、私見ながら、この記事で引用されたデータ等から、
”「35歳転職限界説」が崩れた労働市場”での求人戦略(効果的な求人票の書き方など)
を検証・解析してみました。
※以下の資料等の出典 : DODA HP公開「ホンネの転職白書」
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https://doda.jp/guide/ranking/
1.転職平均年齢の推移
・ ミドル層の採用が活発化。35歳以上の割合は23.6%と6年で2倍以上などの分析コメントがなされています。
・ 企業がミドル層の採用に積極的になったのは、ここ2〜3年。
・ その背景。世の中の変化に合わせて、新商品や新サービスの開発、
場合によっては新たなビジネスやマーケットを開拓する必要に迫られているため
・ 男女別に転職者の平均年齢を見てみると、
男性 : 31.3歳(+2.6歳)
女性 :29.4歳(+1.7歳)
特に男性の年齢上昇が目立つ。
・ 長期的なキャリア形成を望む女性が増え、企業側も女性の活用を積極的に進めていることから、
数年後には女性の転職年齢も大きく上昇することが推察される。
2.職種別にみる転職平均年齢の推移
・ 資格や専門スキルが必要な職種ほど転職年齢は高い傾向。
(転職前の職種)
・ 職種別では、「技術系(建築/土木)」の年齢が最も高く36.0歳。
2007年4〜9月の平均年齢と比較して+6.1歳と、上昇幅も最大。
※背景として
昨今の建設ラッシュにより、施工管理職、設計職は深刻な人手不足に陥っているため、
企業は資格保持者であれば年齢問わず積極的に採用。
・ 職種別で年齢が低いのは
販売/サービス系 : 28.7歳
営業系 : 29.5歳
これらの職種出身者は、年齢を重ねることで身に付く専門スキルよりも、
コミュニケーション力や営業成績など年齢を問わないその人自身のポテンシャルを
評価されることが多い傾向。
柔軟性や将来性を期待できる若手の方が採用されやすく、転職年齢は低くなっている。
(転職後の職種)
・ 技術系(医療/化学) : 33.0歳
※背景として
臨床開発や薬剤師、化学系の研究開発職などは、
資格や専門スキルを保有している人であれば、年齢を問わず採用される傾向にある。
・ 事務・アシスタント系 : 32.7歳
は、2007年4〜9月の平均年齢と比較して+5.5歳と、上昇幅が最も大きい。
※背景として
事務職の多くが派遣社員で構成されるようになり、正社員として採用される場合には、
高いスキルが求められるようになったこと。
3.企業側の転職者受け入れマインド
・ 時系列でみると、大企業、中企業で転職入職者の割合が増大する傾向となっている。などの分析コメントをご紹介しました。
・ 企業規模別では、企業規模が小さいほど転職入職者の割合が大きい。
4.異業種・異職種の労働移動(転職)のトレンド
(1)異業種・異職種の転職指向
・異”業種”へ転職した人の割合 : 59.1%
・異”職種”へ転職した人の割合 : 33.9%
「業種」よりも「職種」のほうが、
能力・経験・技術・専門知識など短期間では身につかない要素によって決まってくるため、
基本的には「今の職種」の延長線上での転職を考える方が多い。
(2)異業種への転職傾向
・ 最も異業種への転職者割合が高い業種
商社/流通 : 88.6%
小売/外食 : 80.8%
メディア : 79.5%
・ 異業種への転職者割合が低い(=同業種への転職が多い)
メディカル業界 : 74.0%
IT/通信 : 62.0%
メーカー : 44.2%
・ 「商社/流通」からの最も多い転職先業種
同業種ではなく「メーカー」で、24.0%
その内訳 : 営業職の割合が高く、
例えば、
電子機器の商社で法人営業職 → 半導体メーカーの営業職
消費財を扱う商社の営業職 → 消費財メーカーの営業職
業種は異なるものの、商材の知識を活かして、同じ商材を扱う企業へ転職している例が目立つ。
・ 「小売/外食」からの転職先業種
「メディカル」業界のMR職
「IT・通信」業界のインフラエンジニア職
「建設・不動産」業界での住宅営業職
など、転職前の仕事とは全く別の仕事にチャレンジしている事例が多い
5.”「35歳転職限界説」が崩れた労働市場”での求人戦略
(1)異業種からの転職希望者に対して
例えば、
・ 業種独自の労働条件(シフトの有無・決め方・休日シフトなど)
・ 未経験者OKとした場合の入社後の育成・指導体制
・ 業界個別・特有な仕事の内容
(2)経験・能力・知識の要求レベル
例えば、
・ 職務遂行のため、その業界での知識が、どのレベルまで必須なのか?
・ どんな知識・ノウハウ・資格があればOKなのか?
・ どんなスキルが、なぜこの職種で必要なのか?
(3)業界での会社の強み
例えば、
・ 中長期のビジョン・今後の出店予定などの経営計画
・ 業界内のシェア・主要取引先
・ お客さまに選ばれ続ける、会社の本当の強み・個性
年齢に囚われずに、能力・経験・知識など欲しい人材像が持っている
キャリアを明確にイメージしたうえで、
と考える次第です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸甚です。
では、また。
※本コラムの内容は、各所取材の上、入手した情報を基に、
記事として掲載させて頂いております。
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