「求人難」とも形容される
介護・福祉人材の採用活動
自社求人に応募してもらうためは
データでご紹介した
「早期離職防止・定着促進に効果のある方策」で
上位に挙がっていた
・「仕事の内容は変えずに、労働時間や労働日を本人の希望で柔軟に対応している」
・「残業削減、有給休暇の取得促進、シフトの見直し等を進めている」
などの方策・施策は、
入職経路で上位となった
ハローワークの求人票でも
「自社で働く労働条件」に変換して
確実に伝えておきたい事柄です。
そして
「仕事を辞めた理由」で最多となった
「職場の人間関係に問題があったため」
そのような背景で新しい勤務先・転職先を
探して活動している求職者に向けた
「職場の人間関係の良さ」を伝える求人コピー
ネット等での"書き方ノウハウ"では
「『アットホームな職場です』は、避けましょう」な
お題目で、このフレーズに"ダメ出し"をし
これに代わるものとして
・社員の仲が良く、言いたいことを言い合える職場なので安心です。
・社長も含めてお互いを「さん」付けで呼び合う仲が良い職場です。
・休憩室でワイワイ。3時になると社長がお菓子を出してくれます。
などが"わかりやすい書き方"とするコンテンツをよくみかけます。
ですが、
これらのフレーズを目の当たりにした、
読み手である求職者が、どんな印象を受けて
どんな読後の感想・感情を抱くのでしょうか?
文字で書き起こすと、
かなり生々しくなるので、ここでは割愛しますが
・言いたいことを言い合える職場
・「さん」付けで呼び合う職場
・休憩室でワイワイ・社長がお菓子
などの"わかりやすいフレーズ"が
醸し出す職場の雰囲気が
"職場のリアル"を的確に伝えているかは、
読み手の感性・キャリア・実体験によってまちまち
前職での就業経験・職場体験を自身の比較材料にし、
次の職場・会社への転職を検討している
求職者の目線でみると???な感覚も残るところです。
『アットホームな職場です』は、
「アットホーム」の言葉選びが悪いのではなく
"アットホームだけでは伝わらない"とが勿体ないのです。
求人票に散りばめられた求人フレーズも「読み物」なのですから
「アットホーム」という1つのワードだけに全てを委ねるのではなく
"前後の文脈"で"自社の職場の雰囲気・良さ"が伝わっていれば
それでよいはずです。
「アットホームな職場です。」
この1文の文字数は"12文字"です。
ハローワーク求人票の「仕事内容」欄・「特記事項」欄は
1行30文字の仕様ですから、1行に文章を収めるとしても
あと18文字の情報を付加(書き添え)することができます。
無理矢理
「社長も含めてお互いを「さん」付けで呼び合う仲が良い職場です。」
などの表現を捻りだして置き換えなくても
「早期離職防止の方策」に関するデータでご紹介した
仕事上のコミュニケーションの円滑化を図るための施策
・上司との定期面談
・定期的なミーティング
・意見交換会
を自社で導入していれば、それを真摯に伝えればよいですし
「〇〇〇でアットホームな職場です」の前後・上下に、
それを補強・補完・担保する文章を前書き・後書きにして
付け加え、求人票全体を構成すれば事足りるはずです。
そのためには、一文をシンプルにして、
なにを読み手に伝え、腹落ちさせたいかの
ストーリーや構成をデザインしておくことが大切です。
ワンフレーズで伝えるのではなく
求人票全体で「自社の仕事・職場・会社の魅力」を伝える
広告の肝は、キャッチコピー・キャッチフレーズではありません
広告とは、読ませたい本文「ボディコピー」ありきのものです。
12年来、本連載コラムや
各所「求人票の書き方セミナー」でお伝えしている
「求人とは、集客。求人票も、広告。」とは、
求人票を広告=読み物として
求職者に届け、応募に繋げることが本質です
だから、求人票は
「目に留まって・読んでもらって」こその読み物であり、
求人票のワンフレーズにこだわるのは、
「求人票全体で求職者に伝えたいこと」を
デザインして構成するためのプロセスだからなのです。
そこを履き違えた"ウケ狙いのワンフレーズ"は
"浮いたコピー"になってしまうと本末転倒。
"余計な・邪魔なノイズ"となって独り歩きを始めると、
求人票全体の印象・イメージに悪影響を与えるリスクすらあることは、
昨今の広告を巡る事例・事案をみてもおわかり頂けようかと存じます。
求人票も書き方・伝え方次第
「だれに・なにを・どう伝えるか?」で
その印象・表情はガラリと変わります。
みなさんの求人票・採用ページのコンテンツは
読み手である求職者のみなさんから
「選ばれる」内容となっていますか?
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。