【連載コラム:求人票の書き方 #32-2020】
「技能系」・「技術系」正社員に求める技能(「2020年版ものづくり白書」第2章より)
白書では、ものづくり企業が
自社の主要製品を製造するために
"鍵となっている具体的な技能"について
■ものの製造に直接携わる「技能系正社員」
■研究・開発・生産管理・品質管理などを
担当する「技術系正社員」
に区分
各々の正社員に求める具体的な技能を
「現在(赤)」・「5年後(青)」の視点から
調査・集計した結果をレポートしています。
■「技能系正社員」では
・生産工程を改善する知識・技能:57.0%
・多工程を処理する技能:50.0%
・品質管理や検査・試験の知識・技能:49.6%
・設備の保全や改善の知識・技能:40.1%
・高度に卓越した熟練技能:38.0%
が「現在の技能」で上位に
この5つの技能については、
「5年後の技能(見通し)」でも重要度には
大きな変化はうかがえません。
■「技術系正社員」では
・工程管理に関する知識:48.4%
・複数の技術に関する幅広い知識:44.2%
・生産の最適化のための生産技術:43.4%
・設計・開発能力:42.3%
・特定の技術に関する高度な専門知識:41.8%
が「現在の技能」で上位に
技能系正社員と比して
「5年後の技能(見通し)」については
・製品の企画・構想段階から問題点を把握し、
改善提案を行うコンサルティング能力:31.0%
・革新的技術を創造していく能力:30.3%
・プロジェクト管理能力:29.7%
などの選択肢での回答率の高さが特徴的な結果に
技術系正社員が今後期待される
役割や人材育成/能力開発の方向性も
垣間見える結果となっています。
また、
ICTなどデジタル技術の
ものづくり現場への利・活用に
関連する技能については
「技能系正社員」では 8.3% ⇒ 31.8%
「技術系正社員」では 10.9% ⇒ 32.4%
今後のものづくり現場の在り方も
示唆する結果となっています。
欲しい人材に響く! 求人票の書き方( 正社員に求める技能 求人票への展開 )
「技能系と技術系」
白書でも
・ものの製造に直接携わる従業員
・研究・開発・生産管理・品質管理などを担当する従業員
と区分し分析しているように
一言で「ものづくり人材」とまとめても
求められる技能・経験は
職種・配属・役割によって異なります。
・職種・肩書の名称
・配属先に関する情報
・入社後に期待する役割
そのような情報は
自社の仕事内容を直接的には
説明はしませんが
間接的に補強する「付加情報」です。
そして、
それら「仕事に関する付加情報」は、
読み手である求職者にとっては
応募企業を選択・判断するための
・求人企業の具体的な仕事内容
・求人企業で働く仕事の魅力
・求人企業と他社求人との比較
などの視点から
「入社後に働く姿」をより具体的に・
よりリアルにイメージさせる情報です。
「やりがいのある仕事です」
「誰でもできる簡単な仕事です」
求人広告でよくみかける
仕事情報のコピーですが
"やりがい"や"誰でもできる"は
そのニュアンスなどで、
求人情報の送り手と読み手の
ギャップを生みやすい表現
場合によっては、入社後に
思わぬトラブルの火種に
なりかねません。
・なぜ、やりがいがあるのか
・どうして、簡単なのか
このような"5W1H"な要素も交え
どのような情報を求人票に載せて
「自社の仕事内容」「自社で働く魅力」を
求職者に伝え応募に繋げるか
そこをしっかりと思考/検討して
文章表現に落とし込んでいくことが
求人票の書き方のポイントです。
2020年1月6日に一新された
ハローワークの新・求人票
「一般求人」も
A4片面からA4両面に
デザインからリニューアル
仕事内容や関連する付加情報は
・職種欄:最大28文字
・仕事内容欄:最大360文字 30字×12行
・求人に関する特記事項欄:最大600文字 30字×20行
をはじめ
新設された
「⑥求人PR情報」の
・事業所からのメッセージ欄:最大600文字
「事業所登録シート②」に新設された
事業所PR情報の各項目
・⑤ 福利厚生の内容:最大510文字
・⑥ 研修制度の内容:最大144文字
・⑦ 両立支援の内容:最大511文字
など
従前に比べ、求職者にPRできる項目も
文字数も増量されています。
2012年(平成24年)以来、
本連載コラム・求人票セミナーなどで
お伝えしていますが、
「求人とは集客。求人票も広告。」です。
どこに出すか? よりも大切なことは、
「だれに・なにを・どう伝えるか」
中途採用でも新卒採用でも
・求職者が就職先に求めるもの
・求職者が活かしたい強み・経験
・求職者が抱く将来のキャリアプラン
など、事情・背景はさまざま。
その判断基準は、"自分にとって"の尺度
・「この仕事・この職場・この会社、アリ?ナシ?」
・「話を聴いてみる?面接を受けてみる?」
・「応募する?しない?」
ハローワークの求人票や
各種の求人媒体などの情報から、
そんな読み手の主観・相対的な尺度で、
そんな判断・選択をしているであろうことは
想像に難くありません。
求人票も書き方次第、
求人情報も伝え方次第。
「見慣れた表現」・「ありがちな言葉」にはない
自由な発想とオリジナリティあふれる言葉/表現
"自分の・自社の言葉"で紡ぎ、
求職者に語りかける「自社で働く魅力」のリアリティ
自社独自の具体的事実(Fact)を踏まえた
オリジナリティあふれるコピーで訴求する
情報のリアリティ
そんな、
"自社独自(= 他社との違い)"を踏まえ、
読み手を鮮明に意識し、訴求するコンテンツが、
求職者に響く求人情報であろうことは、
想像に難くありません。
求人票・求人情報には、
"誰でもいいから"ではなく
「読んでほしい・応募してほしい」
人材像(読み手)が存在します。
その読み手とは、みなさんが明確に
イメージするであろう"欲しい人材"です
みなさんは、まだ見ぬ"欲しい人材"に
なにを・どんな言葉で・どう伝えますか?
弊社では、
ハローワーク求人票、求人・事業所PRシートをはじめ
採用ページ・各種媒体のリライトなどのご相談も対応しております。
よい採用の実現に、弊社のノウハウをご活用頂ければと存じます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
みなさまのご参考になれば幸いです。
※本連載コラムは、各所ホームページ公開情報等
取材した内容を基に、記事として掲載しています。