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大阪府社会保険労務士会 北東支部所属
  1. 【求人票を科学する(その3)】科学のチカラで検証実験!”求人に興味あり・なし、在職者・求職者目線”から効果的な求人票の書き方を検証しました。


 

【求人票を科学する(その3)】科学のチカラで検証実験!”求人に興味あり・なし、在職者・求職者目線”から効果的な求人票の書き方を検証しました。


2014/07/28
「求職者がどのような視線の動きで求人票を見ているか」

これまで、このテーマでの研究は行われていませんでした。

「独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)」が、
平成24年に実験検証を行い、以下のタイトルで、報告書を公開しています。
「中小企業における人材の採用と定着」(平成24年3月30日)
第T部 人材の募集と採用―人が集まる求人―
 第1章 求人情報において注目される点:アイトラッキングから


この研究では、
視線の動きを逐一記録できる装置(アイトラッキング装置)により、
求職者の閲覧における視線の動きを客観的にデータ収集しています。

収集したアイトラッキングデータは、
「ヒートマップ手法」により、
数値データを、
サーモグラフィのように、
頻度の低いものから、緑色→黄色→赤色にビジュアル化され、
科学的アプローチでその動きを分析しています。

今般、この報告書を入手しました。

シリーズでお送りする
「求人票を科学する」

第3回目の今回は、
”求人に興味あり・なし”
”在職者・求職者目線”
から、効果的な求人票の書き方を検証します。

※実験データは、
 独立行政法人 労働政策研究・研修機構が、
 ホームページに公開している 
 「労働政策研究報告書No.147(平成24年3月30日)」
 より引用します。

1.検証実験のスペック。



(1)実験の目的


・求人情報の閲覧行動について
・アイトラッキング(視線追跡分析/視線滞留時間分析)を用いた実験を行う。
・アイトラッキング、データ収集の意義
 個人がどこを何秒間見ているか等、無意識での視線の動きも含め客観的に
 データを収集することができる。


(2)実験参加者の属性


・2011 年9 月実施
・首都圏に住む41 名(男性20 名・女性21 名)
・平均年齢:40.88 歳であり
  30代以下:18 名、
  40代以上:23 名であった。
・調査協力者の現在の状況
  求職者21 名(うち女性11 名)
  在職者20 名(うち女性10 名)


(3)実験イメージ






(4)実験手法



・実際にハローワークで使用されている求人票をPDFファイルにし、
 視線計測装置(tobiiT60 アイトラッカー)の画面上に表示。

・PDF化された求人票は全て2011年7月から9月に東京都で実際に出された求人票を使用。

・求人票を見ている間、目線の測定を行った。

・視線の計測が終了した後、PDF化された求人票についてヒアリング。


(5)「ヒートマップ手法」による実験結果の図示



ヒートマップ手法

数値データを色により表現する図解の手法であり、
色による地図の等高線のような形となり、
低い値から高い値になるに従って緑色→黄色→赤色と表現。



2.ヒートマップによる「目線の世代間ギャップ」


以下に実験結果を紹介します。


(1)”在職者・求人に興味あり”の目線





(2)”在職者・求人に興味なし”の目線




(3)”求職者・求人に興味あり”の目線


   


(4)”求職者・求人に興味なし”の目線




(5)報告書サマリーレポートより


以下のように解析しています。


【興味のあった求人票】
@在職者は事業所名・仕事の内容・雇用期間・休日等などと
 いった項目を見ている。
A求職者は所在地・職種・仕事の内容・休日等などといった項目を見ていた。

【興味のなかった求人票】
@在職者は主に仕事の内容を見ている。
A求職者は職種・仕事の内容を見ていた。

【興味あり・なしの比較】
興味のなかった求人票と興味のあった求人票を比較すると
興味のあった求人票は、様々な項目を見ている。



3.実験後のヒアリングデータ



実験後の被験者に対するヒアリング結果も公開されています。

ここでは、「在職者・求職者」のカテゴライズでの集計データを
ご紹介します。


(1)「在職者・求職者」・求人票の注目項目





この結果について報告書は、

@在職者・求職者ともに、職種に注目したという回答が最も多かった(それぞれ100%)。
A在職者は雇用形態(35%)・産業(25%)・賃金(25%)などといった項目に注目したという回答が
 比較的多かった。
B求職者は就業場所(66.67%)・雇用形態(19.05%)・産業(19.05%)などといった項目に注目したと
 いう回答が比較的多かった。

と分析しています。


(2)「在職者・求職者」・「応募に前向きになれる」要因




この結果について報告書は、

@在職者・求職者ともに仕事の内容に興味があること、
 自分に合ったものであることという回答が最も多かった(それぞれ55%、66.67%)。
A在職者では休日が土日祝日であること(20%)、雇用形態が正社員であること(15%)などといった回答が
 比較的多かった。
B求職者では就業場所と自宅が通勤可能な距離であること(33.33%)、就業時間が朝から夕方までであること
 (23.81%)などといった回答が比較的多かった。

と分析しています。


(3)「在職者・求職者」・「応募を躊躇する」要因





この結果について報告書は、

@在職者・求職者ともに仕事の内容に興味がないこと(それぞれ50%、66.67%)といった回答が最も多かった。
A在職者では雇用形態が正社員でないこと(25%)、休日が不特定であること(20%)などといった
 回答が比較的多かった。
B求職者では就業場所と自宅が遠いこと(33.33%)、就業時間が不特定であること(23.81%)などといった
 回答が比較的多かった。

と分析しています。



3.「効果的な求人票の書き方」の検証



以上の実験結果を踏まえて、
私見ながら、
「効果的な求人票の書き方」を検証します。


(1)今回の傾向について



今回の傾向については、
母集団である被験者の就業形態(正社員か否か)の属性が明らかに
されてはいませんが、推察するに。

・在職者は、転職に際して今の就業形態(正社員)での転職を志向。
・就業場所については通勤時間の拘束はなるべく避けたい傾向(地元志向)。
・休日については、不規則な休日は避けたい傾向。

などの興味関心がウェイトを占めた感を感じます。



(2)「通勤・休日情報」について



在職者・求職者セグメントでの
「前向きになれる」・「応募に躊躇する」要因の

通勤・休日などの項目。

これは、「仕事の内容」というよりも、
「職場の環境(=就業環境)」に関する事項です。


ここで、「休日が不特定」の「不特定」についてですが、
求職者目線から考えた場合に、
応募に不安を感じることは、
「突発的に出勤しなければならないのでは???
 結果として、休日が取れないのでは???」

という不安に言い換えることができるかと考えます。

とすれば、例えば、シフト制の勤務形態の場合に、

・いつ、シフトが決定するのか
・止むを得ない、緊急な私用(子どもさんの急病等)を、
 どれくらい考慮してもらえるのか。

といった、会社のルールがあれば、そのような事項を
予め情報発信していくことが、不安解消の一助になろうか
と考えます。


また、「通勤」に関しては、
「通勤手当」などの金銭面での会社のバックアップ体制
気になるところです。

例えば、

求人票にも、項目がありますが、
・上限はいくらまでか。
・マイカー通勤可か。
・駐車場費用は、無料か負担があるか


などといった事項、細かいですが、
不安解消の一助になろうかと考えます。


(3)では、どこに・どんな情報を・どのように書くか???

 

求人票の「構造分析」をすると、

以下の3つのエリアに分類できます。


@「仕事情報」エリア

A「勤務(職場)情報」エリア

B「会社情報」エリア


ヒートマップの実験結果にあるように、
注視時間は、「仕事の内容」を中心に展開していきます。

そして、
「職場(勤務)情報」と「会社情報」

上記(2)の
「もっと詳しく記載してほしい情報」に挙がっている理由は、
残念ながら、サンプルとなった求人票では、
「職場情報」・「会社情報」が十分な情報発信がなっかた故の
ことと考えられます。

とすれば、

3つの「フリーエリア」

@「仕事の内容」欄
A「備考」欄
B「特記事項」欄
を活用すれば、求職者がより興味を

持ってもらうことができるのではと考えます。

 

 

ここに、

・会社・職場・仕事の”ウリ”となる情報を発信し、

・求職者が「自分が(会社・職場で)働いている姿」をイメージしてもらう

ことポイントです。

 

・求人ターゲットを絞り込み
・ターゲットが知りたい情報を
・ターゲット目線で適切な言葉で

情報発信する。

ターゲットである求職者が、応募したくなる情報を
「仕事の内容」欄
「備考」欄
「特記事項」欄

を使って、
求職者目線で伝えること。

つまり、
「求人票の効果的な書き方」とは、
みなさんの商品・サービスをプロモーションする
視点・考え方となんら変わりはありません。

私見ながら、これが
効果的な求人票書き方のポイントだと考えています。






最後までお読み頂き、ありがとうございました。

 

みなさまのご参考になれば幸甚です。

 

では、また。

 

※本コラムは、各ハローワークに取材に伺い、入手したリーフレットを
基にして、記事として掲載させて頂いております。
  

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