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大阪府社会保険労務士会 北東支部所属
  1. 【求人票を科学する(その1)】科学のチカラで検証実験!”求人票の男性目線・女性目線”から効果的な求人票の書き方を検証しました。

 

【求人票を科学する(その1)】科学のチカラで検証実験!”求人票の男性目線・女性目線”から効果的な求人票の書き方を検証しました。

2014/07/27
「求職者がどのような視線の動きで求人票を見ているか」

これまで、このテーマでの研究は行われていませんでした。

「独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)」が、
平成24年に実験検証を行い、以下のタイトルで、報告書を公開しています。
「中小企業における人材の採用と定着」(平成24年3月30日)
第T部 人材の募集と採用―人が集まる求人―
 第1章 求人情報において注目される点:アイトラッキングから

この研究では、
視線の動きを逐一記録できる装置(アイトラッキング装置)により、
求職者の閲覧における視線の動きを客観的にデータ収集しています。

収集したアイトラッキングデータは、
「ヒートマップ手法」により、
数値データを、
サーモグラフィのように、
頻度の低いものから、緑色→黄色→赤色にビジュアル化され、
科学的アプローチでその動きを分析しています。

今般、この報告書を入手しました。

シリーズでお送りする
「求人票を科学する」

第1回目の今回は、
”求人票の男性目線・女性目線”
から、効果的な求人票の書き方を検証します。

※実験データは、
 独立行政法人 労働政策研究・研修機構が、
 ホームページに公開している 
 「労働政策研究報告書No.147(平成24年3月30日)」
 より引用します。

1.検証実験のスペック。



(1)実験の目的


・求人情報の閲覧行動について
・アイトラッキング(視線追跡分析/視線滞留時間分析)を用いた実験を行う。
・アイトラッキング、データ収集の意義
 個人がどこを何秒間見ているか等、無意識での視線の動きも含め客観的に
 データを収集することができる。


(2)実験参加者の属性


・2011 年9 月実施
・首都圏に住む41 名(男性20 名・女性21 名)
・平均年齢:40.88 歳であり
  30代以下:18 名、
  40代以上:23 名であった。
・調査協力者の現在の状況
  求職者21 名(うち女性11 名)
  在職者20 名(うち女性10 名)


(3)実験イメージ






(4)実験手法



・実際にハローワークで使用されている求人票をPDFファイルにし、
 視線計測装置(tobiiT60 アイトラッカー)の画面上に表示。

・PDF化された求人票は全て2011年7月から9月に東京都で実際に出された求人票を使用。

・求人票を見ている間、目線の測定を行った。

・視線の計測が終了した後、PDF化された求人票についてヒアリング。


(5)「ヒートマップ手法」による実験結果の図示



ヒートマップ手法

数値データを色により表現する図解の手法であり、
色による地図の等高線のような形となり、
低い値から高い値になるに従って緑色→黄色→赤色と表現。



2.ヒートマップによる「男性目線・女性目線」



以下に実験結果を紹介します。


(1)”在職者”の男性目線





(2)”在職者”の女性目線






 

(3)”求職者”の男性目線





(4)”求職者”の女性目線






(5)報告書サマリーレポートより



以下のように解析しています。

@在職者・求職者とも
 男性においては事業所名・職種・
 仕事の内容・休日の注視時間が長かった。

A在職者の女性は
 事業所名・就業場所・職種・仕事の内容・
 賃金・就業時間・休日等といった項目に注目しており、
 男性よりも比較的様々な項目を見ているようであった。

B求職者の女性は、主に職種・仕事の内容・就業時間・休日といった
 項目を見ており、男性と類似した傾向を示していた。



3.実験後のヒアリングデータ



実験後の被験者に対するヒアリング結果も公開されています。

(1)求人票の注目項目






この結果について報告書は、

@男性・女性ともに仕事の内容に注目したという回答が最も多かった(それぞれ90%、90.48%)。
A男性は賃金(55%)・就業時間(30%)に注目したという回答が比較的多かった。
B女性は就業時間(38.10%)・就業場所(28.57%)・職種(28.57%)に注目した
 いう回答が比較的多かった。

と分析しています。


(2)求人票で「応募に前向きになれる」要因






この結果について報告書は、

@男性・女性ともに仕事の内容に興味があること、
 自分に合ったものであることという回答が最も多かった(それぞれ75%、47.62%)。
A男性では就業場所と自宅が通勤可能な距離であること(30%)などといった回答が
 比較的多か
B女性では就業時間が朝から夕方までであること(33.33%)、休日が土日
 祝日であること(23.81%)などといった回答が比較的多かった。


と分析しています。


(3)求人票で「応募を躊躇する」要因






この結果について報告書は、

@男性・女性ともに仕事の内容に興味がないこと(それぞれ70%、47.62%)といった回答が最も多かった。
A男性では就業場所と自宅が遠いこと(20%)、
 雇用形態が正社員でないこと(15%)などといった回答が比較的多かった
B他方において、女性では就業時間が不特定であること(28.57%)、
 休日が不特定であること(23.81%)などといった回答が比較的多かった。

と分析しています。



3.「効果的な求人票の書き方」の検証



以上の実験結果を踏まえて、
私見ながら、
「効果的な求人票の書き方」を検証します。


(1)「仕事の内容」について



上記2.(1)・(2)の結果からもわかる通り

応募に「前向きになる・躊躇する」要因の上位に挙がっています。

特に「仕事に興味を持ってもらう」ことが重要なポイントと考えます。


「興味を持ってもらう」ために一番大事な要素は、

読み取った情報から、

・実際の仕事の内容
・自分の経験が活かせるか
・自分のスキルが活かせるか

つまりは、
「その仕事の内容が”自分に”マッチしてしているか」
をイメージできる情報発信と考えます。


性別によって、注視・前向き・躊躇の項目が微妙に異なっている
ことは、発信する情報の選択の参考になろうかと考えます。



(2)実験では、「もっと知りたい情報」もヒアリングしています。


ここで、全被験者に対して、
実験に使われた、実際の求人票に対して、

「もっと詳しく記載してほしい情報」

意見聴取しています。




上位には、

・「職場環境・職場の雰囲気」
・「詳細な仕事内容」


などが挙がっています。


やはり、

「どんな職場で・どんな仕事」

についてより詳しい情報を欲していることが伺えます。

また、ここには挙げらていませんが、

「会社の特長」も重要な項目です。

「何をやっている会社か???」

は、「業界の特長」、「仕事の内容・職場の雰囲気」にも紐づく項目ですから。



(3)では、どこに・どのように書くか(情報の配置・求人戦略)

 

求人票の「構造分析」をすると、

以下の3つのエリアに分類できます。


@「仕事情報」エリア

A「勤務(職場)情報」エリア

B「会社情報」エリア


ヒートマップの実験結果にあるように、
注視時間は、「仕事の内容」を中心に展開していきます。

そして、
「職場(勤務)情報」と「会社情報」

上記(2)の
「もっと詳しく記載してほしい情報」に挙がっている理由は、
残念ながら、サンプルとなった求人票では、
「職場情報」・「会社情報」が十分な情報発信がなっかた故の
ことと考えられます。

とすれば、
                   

3つの「フリーエリア」

@「仕事の内容」欄
A「備考」欄
B「特記事項」欄
を活用すれば、求職者がより興味を

持ってもらうことができるのではと考えます。

 

ここに、

・会社・職場・仕事の”ウリ”となる情報を発信し、

・求職者が「自分が(会社・職場で)働いている姿」をイメージしてもらう

ことポイントです。

 

・求人ターゲットを絞り込み
・ターゲットが知りたい情報を
・ターゲット目線で適切な言葉で

情報発信する。

ターゲットである求職者が、応募したくなる情報を
「仕事の内容」欄
「備考」欄
「特記事項」欄

を使って、
求職者目線で伝えること。

つまり、
「求人票の効果的な書き方」とは、
みなさんの商品・サービスをプロモーションする
視点・考え方となんら変わりはありません。

私見ながら、これが
効果的な求人票書き方のポイントだと考えています。






最後までお読み頂き、ありがとうございました。

 

みなさまのご参考になれば幸甚です。

 

では、また。

 

※本コラムは、各ハローワークに取材に伺い、入手したリーフレットを
基にして、記事として掲載させて頂いております。
  

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